ナナコ、おめでとう! 16年3月に16年ぶりの中央競馬女性騎手としてデビューした藤田菜七子騎手(22=根本)が、25日福島1Rをシルバージャックで勝利し、女性騎手として史上初となるJRA通算100勝を達成した。18日福島1Rをサノマナで勝ち、99勝目を挙げてリーチをかけていた。JRAに咲き誇る一輪の花が、競馬史に残る記録をつくった。

足跡のない道を歩いてきた。18年8月25日に女性騎手最多勝記録(35勝)を塗り替えてからは、自分の記録を更新する日々。どんな取材でも最後には必ずと言っていいほど、この言葉が出る。「次の1勝を目指して頑張りたい」。大レースの勝利ではなく、地に足のついた発言で少しだけ先の目標を掲げてきた。1年目6勝、2年目14勝、3年目27勝、そして4年目の19年が43勝。「次の1勝」を積み上げて、区切りの勝利にたどり着いた。

今年2月には騎手になって初めて、骨折による約1カ月の戦線離脱も経験した。患部の左鎖骨にはまだプレートが入っている。3月20日の復帰後は未勝利が続いたが、11日福島8Rで37鞍ぶりの勝利を挙げると、勝利の味を思い出したかのように勝ち鞍を積み上げた。

JRA通算100勝。藤田騎手自身も想像だにしていない数字だった。19年12月15日。中京6RでJRAと地方交流を合わせて100勝を飾った際、「デビューした頃は100勝という数字は全く見えなかったですし、すごく遠い話だなと思っていた。どんな馬でも藤田菜七子に乗せたいと依頼してもらえるようなジョッキーになりたいです」と一足早い“3桁到達”を回顧した。それから4カ月ちょっと。JRA初勝利を挙げた思い出深い春の福島で大台の勝利を手にした。

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