見出し画像

死者の激増と、年明けそして春節にかけての「中国の危機」

本稿は新年に当たっての当方の所感として配信します。いよいよ事態は切迫してきました

1. 火葬崩壊・葬儀崩壊の始まり

中国政府は2週間にわたって、新型コロナに伴う「死者ゼロ」としてきましたが、さすがに具合が悪くなったのでしょう、週明けの12/19になって、「全土で2名が死亡」と伝えましたが、もはや人民は誰も信じてはいません。この10日あまりで自身の周囲で家族を含めて感染が急拡大し、地元の火葬場にはゼロコロナ政策の緩和(人民の抗議を承けての事実上の政策の放棄)前の10倍もの高齢者の遺体が運び込まれ、火葬の予約を取れるのが10日以上先になっていることを知っているからです。ついに医療崩壊を超えた火葬崩壊、葬儀崩壊です

12/25には、浙江省側が新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者が100万人を超えたと発表しているにも関わらず、中央政府(中国疾病予防センター)は浙江省での死者は22人と発表しているとの矛盾が報道されています。政府にしてみれば、基礎疾患のあった患者が亡くなっても新型コロナの死者とはカウントしないと事前に言明しているので、公式には矛盾はないと言い張るのでしょうけれども。この言明は同日付けで感染者数や死者数の情報の公表を、保健当局である「国家衛生健康委員会」から、感染症対策を担う政府機関である「中国疾病予防センター」に移管したことと相まって、いかにも中国政府流の姑息な措置といえます(12/26追記)。
政府がゼロコロナを事実上放棄しても、街に人出が溢れたのは一時のことで、今では一転して、スタッフが感染した飲食店や工場は回らなくなって次々と閉鎖され、人々は感染を恐れて自宅に引きこもっている状態です。街は早々に、ゴーストタウンに戻りました(※ 1/23追記 この記述に限り、年末の状況です。現在は春節期間で流動が抑えられなくなっていますが、後述するように春節明けには大変なことになります)。いわば人民の側の「自主隔離」、「自発的なゼロコロナ政策」ですね。一転してもはや何でもありになってしまっており、入国者に求めていた隔離義務さえも1/8から解除することが発表されています(12/26追記)。

ここから先は

2,188字
この記事のみ ¥ 100

記事全般を気に入っていただいて、当方の言論活動をサポートしていただけましたら、有難く存じます。 特典としてサポートしていただいた段階に応じ、 個人LINEのやり取り→お電話での直接の交流→年に1回、実際にお会いしてのご会食 等の交流企画を考えております。宜しくお願い致します。