フジテレビがジャニーズ検証番組 「男性の性被害の認識低かった」

 旧ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長(2019年死去)による性加害問題を受け、フジテレビは21日、社員、元社員への調査に基づく検証番組を放送した。渡辺奈都子報道局長が「男性に対する性被害への認識が著しく低かった」と、反省の弁を述べた。

 喜多川氏のセクハラ行為の真実性を認めた、03年の東京高裁判決を報道しなかったことについて「正面からニュースで扱う認識が全くなく、芸能ゴシップ、スキャンダル的な扱い」をしたとする、当時の報道部門関係者の証言を紹介した。

 事務所所属タレントの逮捕情報をいち早く把握したが、報道局側と編成局側との調整により、他社よりも遅く報じることになった事例を公表。渡辺局長は「気遣いや配慮があったことは認めざるを得ない」と話した。

 「他社のイケメングループ」や同事務所の元所属タレントの、ドラマへの起用を避ける認識があったとの証言も例示。立松嗣章編成制作局長は「徐々に(同事務所を)特別視するような空気が出来上がったこと」などが性加害を見逃すことにつながったと反省した。

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