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激化する「排外」デモ。新大久保で「反排外主義」のカウンターデモと激突

 ここ最近、東京・新大久保や大阪の鶴橋など在日韓国人が多い繁華街で「朝鮮人を殺せ!」「出てけ」となどとコールするデモが開かれている。今まで行われた同様のデモでは、日の丸や旭日旗を掲げた集団が「朝鮮人をガス室に送れ」などと掲げた板を持ちながら練り歩き、参加者が「朝鮮人の女はレイプしろ」と語っている動画がYouTubeにアップされるなど、過激化の一途を辿っている。  3月の最終日曜日にもまた、新大久保でそうしたヘイトスピーチを叫ぶデモが行われた。この日のデモでは、上記のような過激な文言は陰を潜めたものの、春休み中の休日とあって子供も多く見られる新大久保の町中は、日の丸や旭日旗を掲げながら練り歩く嫌韓デモ集団に対して、異議を唱えるカウンターデモの集団や商店主らが揃い踏みし、一時騒然となった。  また、この日はTwitterの有志が資金を出しあって、排外主義的な主張に異議を唱える映像を大久保通りに面した街頭ビジョンに映し出すという試みも行われていた。 ⇒【画像】カウンターデモ側の意見広告
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嫌韓,デモ

カウンターデモ側の意見広告

 新大久保界隈には、在日韓国人以外の外国人観光客も多く、中にはデモの様子をスマートフォンで写真に撮る人の姿も見られた。そうした外国人観光客の目には、これらの光景はどのように映ったのだろうか? カナダから来たというクロードさん(26歳)は、「日本にはこのような人種差別はないと聞いていたので正直驚いています。カナダでは、こうしたヘイトスピーチは法律によって規制されていますし」と語っていた。  クロードさんと同行していた日本人学生、トガシケンイチさん(仮名)はこう語る。「国境が隣り合わせの国と国だからまったく摩擦も軋轢もないとはならないでしょう。日本と韓国の間にも、竹島問題や対馬の仏像の問題など、日本側の主張を伝え、議論すべきことはたくさんある。しかし、だからと言って、対馬の仏像や竹島とはまったく関係がない新大久保の商店街で店を営む在日韓国人たちに対して『出て行け』とか『殺せ』などというのはまったくもって意味が無いし、それどころか、彼のように日本に訪れる他の国からの観光客にもマイナスイメージを植え付けることにしかならないと思うんですが……。ただ、ああした暴言に異を唱える日本人がこれだけいたということは僕の友人を始め、海外の人にも知ってほしいですね」  単純な法規制は言論の自由の侵害に繋がるため、ヘイトスピーチ規制も決して是とは言えない。しかし、こうした行為が過激化すれば、「法規制」という議論が沸き上がってくるのも必然と言える。  日本を愛する愛国者を自称するのであれば、日本を訪れる外国人にマイナスイメージを植え付けることや、言論の自由を脅かす結果に繋がるような行為を行うことが、果たして本当に我が国を利することになるのか、今一度考えてみるべきではないだろうか? <取材・文/日刊SPA!取材班>
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