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10年間で築いた自信、友情とは一味違う一体感が生み出す「i☆Ris」の魅力

心が折れそうになったとき家族以上に支えてくれたファン

――ファンのみなさんに手紙を書く際、思い出したことはありますか?
山北早紀

山北早紀

山北:正直、ファンと触れ合うことが多いグループだったからこそ、具体的にどこかのシーンを思い出すというより、本当にいつもそばにいてくれたな、って感じです。家族じゃないけど、家族以上にいつも支えてくれた。そんなことを思い出しながら、書きました。  i☆Risの歴史を振り返ると、前半は特に悩むことが多かったので、そういうときにふと、ファンレターを読んで、自信を回復してました。だいたいみんな、すごく褒めてくれるんですよ。「この間のイベント、ここがよかったよ〜」「こんなところが好きだよ」って。  心が折れそうになったときは、そんな手紙を読んで、「よしがんばろう!」って気持ちを切り替えてました。SNSでコメントをもらうのもうれしいけど、やっぱり直筆の手紙って重みが違う。それぞれみんなキャラがぜんぜん違うからすごく面白いですし。

5人体制になることを私がいちばん焦ってたけど……

――10年間で100以上の楽曲があるなかで、グループにとって転機となった曲はどれだと思いますか? 山北:最近だけど、5人体制になって初のシングル「Summer Dude」かな。ずっちゃん(澁谷梓希)が卒業するって決まって、実際に5人体制になる直前まで、落ち込んでたので。メンバーのなかで私がいちばん焦ってたと思う。  昔からインタビューでも散々「i☆Risはこの6人以外ありえない」「ひとりでも辞めたら、グループが終わるんじゃないですか?」って言ってきたから、やばいやんと思って。8年目で、コロナ禍という逆風のなか、ひとり辞めるとなると、みんなのモチベーションは大丈夫かな…?っ て余計な心配をしちゃってました。  でも、メンバーもスタッフさんたちもポジティブで、「これを機に、いままで出せなかった部分を出していこう」って方向性になって、できたのが「Summer Dude」。  これまではアニソンだから元気な雰囲気の曲、作品の世界観に合わせた曲が多かったところを、「Summer Dude」はいまの自分たちに合わせた曲だから、等身大の私たちとして自然に歌えたんです。

「落ち込んでた頃の自分に『楽しんでるよ』って教えたい」

――個人としての転機はいかがでしょうか? 山北:これも最近になっちゃうんですけど、「12月のSnowry」。悲しい失恋の曲を表題曲として歌っていいんだ、と新鮮な気持ちでした。  普段はハモリパートが多いけど、この曲では最後の印象的なパート、〈恋がしたいな〉ってところが私の担当になったので、いままで以上に気持ちがすごく入るんです。  あと、歌ってるときの私の声質が大人っぽい感じらしくて、最近はそれがマッチする曲が増えてる気がします。「Summer Dude」、「12月のSnowry」、「Queens Bluff」も。5人になってからは、今の自分に合った歌をうたえてるようになった気がする。  全体的にすごくいい感じなので、落ち込んでてた頃の自分に「楽しんでやれてるよ〜」って教えてあげたいです。

みんなピュアな野心を持っているグループ

――グループの人数も形も変わってきたなかで、「いまのi☆Risはどんなグループ?」と聞かれた場合、どう答えますか? i☆Ris 10th Anniversary Live~a Live~山北:以前とは別物だと思いますね。  みんながアラサーのグループで、ここまでガチで歌って踊ってる人たちってあんまりいないと思うんです。そして、見た目も楽曲の雰囲気もいい年頃の大人になってきたけど、なんだかんだ初心は忘れてない。  みんなずっと変わらないのは、負けず嫌いなところ。中途半端に終わりたくない、まだ売れたいってみんな思ってるはず。年齢を重ねて雰囲気は変わったけど、意外とみんなピュアな野心を持ってる気がする。  その意味では、大人っぽいグループかなと思ってライブを見に来てくれたら、わちゃわちゃ楽しい感じじゃんって、いい意味のギャップが身についてきたグループなんじゃないかって思います。 【山北早紀プロフィール】 ‘91年、北海道生まれ。リーダー。美容オタクで化粧品検定1級を持つ。12月7日〜11日には、草月ホールにて行われる舞台「SOLID STAR Produce vol.18『熱血硬派くにおくん外伝~リバーシティガールズ~』」に山北早紀が出演予定。推しは「カービィです!」
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若井友希「10年も経てば生活環境も変わるはずなのに、ブレずに応援してくれることが本当に不思議」
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