大分県宇佐市で18日午前10時すぎ、訓練中の海上保安庁所属の小型飛行機が不時着した事故で、国土交通省は「重大インシデント」としていましたが、胴体の後方下部の損傷が大修理を必要とするものと判明したことから、より重い「航空事故」と判断しました。現場では19日、運輸安全委員会による調査が始まっています。

第7管区海上保安本部によりますと、不時着した飛行機は海上保安学校 宮城分校北九州航空研修センターに派遣中の機体JA395Aです。飛行機には40代の男性教官と20代の男性訓練生の2人が搭乗。腰や足に軽いけがをしました。不時着の直前、無線で「出力があがらない。これより緊急着陸する」と連絡があったということです。

小型飛行機はパイロット養成訓練のため、宇佐市周辺で1時間のフライトを予定。18日午前9時過ぎに福岡県苅田町の北九州空港を離陸後、午前10時頃に北九州航空研修センターに「緊急着陸する」と無線で連絡があったということです。

(近くの住人)「びっくりですね」「高さはよくわからないが、(高度が)低いなという感じだったのが印象。あまりに低かったのでこんな低いところ飛ぶかなと」

国土交通省は当初、エンジンの出力が低下したため飛行が継続できず不時着したとして「重大インシデント」と認定していましたが、胴体の後方下部の損傷が大修理を必要とするものと判明したことから、より重い航空法上の「航空事故」と判断しました。

現場では19日、運輸安全委員会による調査が始まりました。

(運輸安全委員会航空事故調査官・西川直宏さん)「機体がひっくり返ってるのでエンジンの詳細の点検ができるかどうかは先に確認したいと思うが、この場で開けるということは難しいと思っている」

調査官3人はドローンを使って周辺の状況を調べる他、フライトレコーダーの回収などを行っています。