動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」は、中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営しているショートムービーを投稿、閲覧するアプリです。日本国内では、2018年に女子中高生から火がつき、10代からの人気は衰えません。2019年にはMAU(月間アクティブユーザー)が950万を越え、若者だけでなく、30~40代にもユーザー層が拡がっています。

投稿されるコンテンツも少しずつ変化してきました。2018年にはリップシンク(口パク)ダンスを自撮りして投稿するユーザーが多かったのですが、2019年になると、お笑いやエンタメ、動物、赤ちゃんに関する動画が増え、2020年にはHowTo動画や日常を映す「Vlog」も投稿されるようになりました。もうダンス動画ばかりではなく、YouTubeのように多種多様な動画が共有されている場所です。

  • 10代の女性から人気が広まった動画アプリのTikTok、動画のバリエーションも増えています

TikTokの人気がますます高まっている理由は、投稿しやすい「meme(ミーム)」現象と、ユーザーの好みを学習しておすすめするAIです。

「meme(ミーム)」とは、誰かが投稿した動画を模倣して拡がっていく現象です。同じ曲と同じ振り付けで踊ったり、お決まりのギャグを自分なりにアレンジしたりして投稿します。一から企画を考える必要はなく、「流行ってるアレを私たちもやってみよう!」というノリで動画を作れるのです。

その思いを後押しするように、TikTokでは「ハッシュタグチャレンジ」という企画が定期的に行われています。2020年8月ごろに流行した「#本気出してみた」は、いまいち冴えない姿を映したあと、その人が美しく変わった画像を音楽に乗せて紹介するハッシュタグです。

アプリの「フォトモーション」という機能を使えば、写真をアップするだけでエフェクトばっちりの動画が作成されます。「#本気出してみた」動画の総再生回数は2020年8月17日の時点で48億回を突破したとのこと。一般ユーザーだけでなく、芸人、アーティスト、格闘家などさまざまな人がチャレンジに参加しました。いまでも「#本気出してみた」の投稿は続いています。

  • 「#本気出してみた」チャレンジの様子

ハッシュタグチャレンジや人気のハッシュタグは、「トレンド」タブから見ることができます。「#おすすめスポット」「#お菓子レシピ」などのお役立ち系や、YouTubeでも人気の「ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)」、お笑いネタをアレンジして作る「あるある」動画も人気です。

こうした動画を閲覧していると、TikTokはユーザーの好みを学習していきます。このAI技術が優れており、1本1本は数秒の動画でも、長く見続けてしまうのです。ユーザーが長く視聴していた、いいねやコメントをした、プロフィールを見た、検索語は何かなどを学習し、そのユーザーが興味を持ちそうな動画を次々に表示します。画面を上にフリックしていくだけで次の動画が見られるUIも、時代のスピード感に合っていますね。また、投稿された動画は一定数のユーザーに表示する仕組みもあり、始めたばかりのユーザーでも誰かの「おすすめ」に表示されます。ある日突然、TikTokで人気者になる可能性があるのです。閲覧、投稿の両方にAIが活用されているわけです。

ライブ配信「TikTok Live」もリリース

コロナ禍ではライブ配信のニーズが高まっており、TikTokもライブ配信機能「TikTok LIVE」を2020年7月31日に正式リリースしました。TikTokが認めたクリエイター(約2,000人)に配信権限が与えられています。お笑いや音楽のプロによる配信だけでなく、動物園からカバのお風呂づくりの様子が配信されるなど、今後も楽しい企画が期待できそうです。

  • 長崎バイオパークがTikTok LIVEとコラボ

「別に若い子のダンス見たくないし」とまだTikTokをインストールしていない人がいたら、これを機に使ってみてください。最初はつまらなくても、1時間ぐらい見るとAIが学習してあなた好みの動画をおすすめしてくれるようになります。