「Apple iPad」

ユーザーの質問メールに米Apple CEOのSteve Jobs氏が直接回答する定番ネタだが、1つ面白い変化が報告された。過去のレポートにもあるように、同氏はメール返信にiPhoneを使っていることが多いが、今回報告された事例では返信にiPadを利用しており、Apple社内で話題のデバイスが広く活用されている様子がうかがえる。

同件を報告しているのはCult of Macで、メールの質問内容自体は無料のEPUBコンテンツをiTunesを介してiPadで利用できるかを問うもので、その返信のフッターが「Sent from my iPad」となっており、iPadから送信したものであることがわかる(返信内容は「yep」/”できる”)。こうしたケースが報じられるのは恐らく初のケースで、iPadの話題に対するメール返信としてはタイムリーだ。

またメール返信ネタでは、日本のユーザーに関して非常に興味深い話題もある。Mobile in Japanによれば、日本でソフトバンクから提供されるiPad 3Gについて、本国とは異なりSIMロックがかかっていることを非難して解除を希望するメールを送信したユーザーが、Jobs氏から「Actually, the version of iPad sold in Japan does accept international SIMs. 」(実は、日本で販売されるiPadでは海外SIMが利用できる)という文面のメールを受け取った。

もしこれが本当であれば、日本で購入したiPad 3Gは国内ではSIMロックによりソフトバンク経由でしかネットワークを利用できないが、例えば海外旅行に出かけた際に現地でSIMを購入して本体に挿入すれば、問題なく利用できるという意味になる。

このように、Apple製品やサービスに関する疑問について、ユーザーがメールで問い合わせて同社CEOのSteve Jobs氏が直接回答するというスタイルが定番化しつつある。CRM(Customer Relationship Management/顧客管理)の観点からいえば、教祖と信者の関係でよく例えられるAppleとユーザーの関係において、カリスマ経営者自らがユーザーの窓口になるというビジネススタイルは、これ以上ないアピール作戦だといえるだろう。