4_6_月

この季節は近所の目黒川沿いの桜がとても綺麗で、ああ、ここは江戸だったんだなあと思うが、カメラをぶら下げた見物人達がわらわら集まって来て町は暑苦しくなる。夜中、不動尊前を通ると古くて大きな桜の木が妙に色っぽく、醜女が厚化粧で誘って来るかのようで、その美しさが染みた。
先月30日は、AVメーカー「ハマジム」の広報、スチャラカ宮下くんの送別会。行く前渋谷HMVに寄ったら、昆虫キッズのアルバムが相対性理論と同じ試聴機に入っていた。嬉しいが、どちらも愛聴しているアルバムで、今面白いものって他はあんまりないのかなあと思った。茶番ばっかりやってる音楽ライター、批評家よりもお店のひとのアンテナは信用出来る。3階のロックの売り場は全然ひとがいなくて驚いた。
送別会は当然ながらAV業界のひとばかりで、自分はちょこっと知ってるひとがいるくらいだったが、楽しかった。宮下くんがビデオで共演した宮崎レイコさんという女優さんが駆けつけての再会は感動した。その宮下くん、宮崎さんのビデオはカンパニー松尾監督の1991年の作品で、僕は大阪で見ていた。当時のバイト仲間も見ていて、大いに話題になった。あの頃はレンタルで、夜、街に行ってわさわさとビデオを借りたりするのが楽しかった。携帯もネットもなかったが、街に行けばかっこいいロック、かっこいいAVがどこかで見つかった。
18年前自分も感動して見ていたビデオのカンパニー松尾さんと、東京に来て一緒に仕事出来たのは奇跡だと思う。そんなことを思いながら酒を飲んだ夜だった。
同い年の宮下くんがAV業界を離れるのはさびしいが、ロック好きな彼とはまたどこかで会えると思う。
1日。阿佐ヶ谷ロフトで、芸人ジャン相見さんの生誕祭。歌わせてもらった。この日40歳になったジャンさん、自分も来年には40だがジャンさんは自分よりも元気に芸人をやっている。猫ひろしさんと再会。ジャンさん企画の呪寄席で何度かお会いして、それからいつの間にかテレビに出て売れて風格もあったが、前と同じで丁寧なひとだった。呪寄席では色々な芸人が出ていたが、猫さんは終わってからも皆に自分の出演情報書いてる手書きのチラシをいつも一生懸命配っていて、その真摯な姿が印象的だった。
この日はライター、九龍ジョーさんの仕切りも素晴らしく、何だかあったかい気分になれた夜だった。それにしてもジャンさんの芸は生だときついが、映像や活字だと俄然面白くなるのはなんでだろう。その日販売された「ジャン狂ブック」のインタビューは大層面白かった。そして何よりもこの日、盛況だったのがうれしかった。
2日。高円寺円盤で我々の小松さんのイベント。久しぶりに立って歌った。他の我々、パグタス、あみのめ、ハズレッシブ。みんな面白かった。
4日。週末の朝から日曜の朝まで、息子と過ごす。風邪で午前中医者へ。7度5分くらいの微熱では子供は全然元気だが、咳や鼻水が出てるので一応薬を貰う。家に来て、昼はうどん。相変わらず綺麗好きなのか潔癖症なのか、コロコロで掃除をはじめ、ほんの小さなゴミでも「ゴミ」と言って拾って持って来る。ペットボトルで麦茶を飲んだら、蓋は必ず自分で閉めようとする。誰に似たのか、きっちりしてる。夜は、魚焼いたり、色々入った味噌汁を作ったが、納豆ごはんと見よう見真似で作ったきゅうりの浅漬けばかり食べる。借り物のmacではレンタルしてきたアンパンマンのDVDが見れず、自分の「映像集2」を見る。ライブの「この夜」、PVでは堀内ヒロシ監督の「うなぎデート」が気に入って、何度見ても「もいっかい」とリピートをせがまれた。夜10時になって「いいかげん、寝るよー」と言っても「ネナイ!」と突っ張って、また体使って遊んで、ようやく10時半に眠った。

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今週は、明日7日はまだ何も考えてないが高円寺無力無善寺でライブ。テレキャスでやるかも。9日木曜日は渋谷ユーロスペースで映画「遭難フリーター」最終回上映後に、岩淵弘樹監督とトーク
もうすぐ発売されるアルバム「ギター」のレビューが「TVブロス」「スタジオボイス」に掲載。
アルバムの諸々情報は、
http://www.sokabekeiichi.com/rose/toyota.html