妄想をめぐって【6】
それは妄想だと言い聞かせる「直球勝負」。誰も悪口など言っていないと録音を聞かせる「証拠の提示」。近所から嫌がらせされているのなら引っ越すという「希望の受容」。「妄想の対処法 失敗のケーススタディー」でお示しした通り、どれもうまくいきません。妄想というのは、「確信すること」自体が症状ですから、「それは事実ではない」という説明は通用するはずがないのです。
この記事は有料記事です。
残り2398文字(全文2585文字)
投稿にはログインが必要です。
精神科医
はやし・きみかず 精神科医、医学博士。著書に「統合失調症という事実」「擬態うつ病/新型うつ病」「名作マンガで精神医学」「虚言癖、嘘つきは病気か」など。ウェブサイト「Dr.林のこころと脳の相談室」は、読者からの質問に林医師が事実を回答するもので、明るい事実・暗い事実・希望の持てる事実・希望の持てない事実を問わず、直截に回答するスタイルを、約20年にわたり継続中。
注目コンテンツ