米国内「租税回避地」の実態(1)
世界の富裕層らによる租税回避地(タックスヘイブン)を駆使した課税逃れの実態を明らかにした「パナマ文書」が世界を揺らしている。租税回避地と言えば、先進国から遠く離れた島々がイメージされるが、舞台となった中米パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」に長年勤める女性は「米国や英国では私たちと同じか、もっと悪いことが行われている」と話す。米国が抱える「内なる租税回避地」を取材した。
「世界最大の租税回避地がどこかご存じですか?」。5月20日、米ワシントンで開かれた講演会で、国際税務の専門家クリシェン・メータ氏が問いかけた。カリブ海の英領ケイマン諸島の名前がまず挙がったが、聴衆が声を合わせたのは、ワシントンからほど近い米東部デラウェア州だった。
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