豪最低賃金、7月1日から3%上げ 景気・インフレ低迷で伸び率縮小

豪最低賃金、7月1日から3%上げ 景気・インフレ低迷で伸び率縮小
 5月30日、豪公正労働委員会(FWC)は、7月1日から国内の最低賃金を3%引き上げると発表した。写真はオーストラリアのニューカッスルで昨年8月撮影(2019年 ロイター/David Gray)
[シドニー 30日 ロイター] - 豪公正労働委員会(FWC)は30日、7月1日から国内の最低賃金を3%引き上げると発表した。景気とインフレの低迷を反映し、昨年の伸び率(3.5%)を下回った。
ただ、今回の最低賃金引き上げは、目標バンドの中間点となる2.5%の平均インフレ率を達成するためには3%以上の年間賃金伸び率が必要と考えるオーストラリア準備銀行(中央銀行)に歓迎されそうだ。
FWCによると、新たな全国最低賃金は週給740.80豪ドル(512.86米ドル)となり、21.60豪ドル引き上げられる。時給は19.49豪ドルに上がる。
成人最低賃金率で給与が支払われる労働者の割合は1.7%(約18万0200人)と推定される。
エコノミストらは最低賃金の伸びについて、家計所得・消費をある程度支援するものの、産業界全体の賃金の伸びに対する影響は限定的だと指摘。RBCのエコノミスト、スーリン・オン氏は「われわれは依然として、景気低迷および労働市場のさらなる減速見通しにけん引され、豪中銀が年内に2度の利下げを行うと予想している」と述べた。

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