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「ニコニコ大会議2008冬」開催、ニコ動はネットの共通体験を推進


 ドワンゴおよびニワンゴは4日、「ニコニコ動画」のイベント「ニコニコ大会議2008冬~ザ・デイ・ビフォー・明後日~」を、東京・文京区のJCB HALLで開催した。イベントでは、「ニコニコ動画(ββ)」(ダブルベータ)の説明などを行った。


会場の様子 開場前の様子

ユーザー数1000万人突破はWeb史上最短記録

ドワンゴの小林宏代表取締役社長
 ニコニコ大会議2008冬では、ニコニコ動画のサイトで観覧希望を受け付け、応募総数1万5294人の中から抽選により2000人が招待された。イベントの模様は、生放送の動画上にコメントできるサービス「ニコニコ生放送」でも配信。なお、ニコニコ生放送は4日にバージョンアップを行い、同時視聴2万人に対応する「大ニコ城ホール」になった。

 イベント前半は、ドワンゴの小林宏代表取締役社長が、ニコニコ動画の近況について説明した。12月3日時点の総会員数は1029万人。「2007年の3月にリニューアルしてから、1年8カ月と6日で1000万人を突破した。これは、PCのWebサービスにおいて史上最短記録になる」という。モバイル会員は275万人、有料のプレミアム会員は22万7000人になった。

 ニコニコ動画事業の9月の収支状況も説明した。「支出が3億1500万円に対し、収益は2億弱」という。「10月、11月でかなりの増収があったものの、このままでは年間12億円の赤字」とした。小林氏は、「2007年7月から有料サービスなどを開始したが、当時の収益は3500万円だった。それが、1年ちょっとで2億円を超えるまでになったことは凄い」と語る。

 このほか、ニコニコ動画の最近のトピックとして、10月26日に麻生太郎総理大臣の秋葉原での街頭演説を生放送したことや、11月3日に民主党の小沢一郎代表のネット会見を行ったことを報告した。さらに、11月4日からは携帯電話向けサービスがソフトバンクモバイルに対応した。「ニコニコ動画のiPhone対応も鋭意開発中」という。

 11月23日には、FC琉球と流通経済大学が対戦するサッカー試合の模様をニコニコ生放送で中継した。同試合(JFL後期第16節)は、「ひろゆき記念~ニコニコ大会議2008冬 前夜祭~」のタイトルで特別協賛したもの。今回は試合中の西村博之氏(ニワンゴ取締役)の様子をVTRで紹介したほか、FC琉球で監督を務めるフィリップ・トルシエ氏をゲストに招き、トークを行った。


ニコニコ動画の会員数推移 モバイル会員の推移 有料会員の推移

前座のベジータ芸人、R藤本 童子-Tのミニライブ ユーザー代表が運営者にラップで物申す

イベント開始前に挨拶するニワンゴの杉本誠司代表取締役 フィリップ・トルシエ氏もニコ動を応援 会場全員で「チバリヨー」とコール

ββまでの1週間は「冬」、ニコニコチャンネル開始

ドワンゴの夏野剛エヴァンジェリスト
 イベント後半は、ドワンゴのエヴァンジェリストを務める夏野剛氏も交えて、「ニコニコ動画(ββ)」の説明を行った。「ββ」は12日に公開するが、5日より新機能を順次追加する。従来の「秋」バージョンから「ββ」に移行するまでの1週間は、「ニコニコ動画(冬)」になる。夏野氏は、「ββは、2度目のβバージョンという意味もあり、原点回帰を示すもの」と話す。

 5日からは、コンテンツホルダーの動画を配信していた「公式動画」を刷新し、「ニコニコチャンネル」を開始する。コンテンツホルダーによる公式チャンネルを拡充し、121社126チャンネルが参加するほか、ニコニコ動画ユーザーのコミュニティサービス「ニコニコミュニティ」内の動画もニコニコチャンネル上に表示されるようになる。また、トップページの「おすすめ動画」コーナーには、ニコニコチャンネルの動画を表示する。

 ニコニコチャンネルのページは、「チャンネル&コミュニティ」という名称になり、ユーザーが登録しているチャンネルやコミュニティを表示する。登録チャンネル・コミュニティに新着動画がある場合、未視聴件数も表示する。コンテンツホルダーは任意のチャンネル番号を先着で選べるという。なお、今回から公式チャンネルにもニコニコミュニティのシステムが導入されており、アクセスコントロールなどが可能となった。チャンネルごとに生放送も行える。


ニコニコ動画の全体像 チャンネルへの導線 アクセスコントロール機能

チャンネルのアクセス解析機能 ニコニコチャンネル概要 公式チャンネルを開設する企業

ニコニコミュニティで生放送できる機能を追加

 ニコニコ生放送では、ユーザーが生放送を行える「ユーザー生放送」を開始する。生放送はニコニコミュニティ単位で行えるため、ニコニコミュニティのオーナーと、コミュニティ内で動画のアップロード権限を持つプレミアム会員が配信できる。別途、Webカメラとマイクが必要。生放送はコミュニティ参加ユーザーのみ視聴できる「クローズ」か、全体公開の「オープン」を選択できる。

 生放送中は、従来通り他のユーザーがコメントを投稿できるほか、ニコニコ割り込み(ニコ割)枠に配信者専用コメントを表示することが可能だ。さらに、動画IDを指定することで、他の動画を同一画面に表示できる。なお、生放送枠は1コミュニティにつき1つ与えられる。配信可能時間は30分で、ユーザー生放送全体で50番組まで同時に配信できる。また、ニコニコミュニティ内のプレミアム会員数が多いほど、同時視聴可能数が増える。

 夏野氏は、「生放送はインターネットに向かないと思っていたが、ニコニコ生放送をしたら意外に面白いことがわかったので、ユーザーにも生放送機能を開放することにした。生放送中は配信者コメントを入れつつ、しゃべったりとか、いろいろ忙しくなるだろうが、楽しく使ってもらえるだろう」と話す。また、ニワンゴの生放送についても「毎日何かあるような感じで、盛り上げていきたい」とした。ユーザー生放送は、12月12日の「ββ」公開と同時に利用可能となる。


ユーザー生放送の概要 配信者のPC画面 配信者のコメント表示枠

ニコニコ動画はネットサービスを群衆で共有

ニコニコ広場
 ニコニコ動画にログイン中のユーザーが集うチャットページ「ニコニコ広場」を開設する。12日の開始予定。広場では、数十万人が同時アクセスしてチャットできるほか、ニコニコ生放送(ユーザー生放送含む)へのリンクも設置する。

 広場の情報は、ニコニコ動画を視聴するユーザーにも告知する。加えて、ニコ割が配信されると自動で広場に移動するようになり、ニコ割についてコメントすることも可能。ニコ割終了後は、広場に残るか、見ていた動画に戻るのかを選択できる。チャットは従来の動画再生画面と同じインターフェイスを採用し、書き込みはニコニコ動画のコメントと同じように流れる。

 夏野氏は、「ニコニコ広場に行けば、ニコニコ動画で今起こっていることがわかる」と説明。また西村氏は、「今までは、ニコニコ動画にアクセスして、ランキングとかで何か面白い動画はないかと探していたが、これからは、広場に行けは面白い動画や、放送中のテレビ番組についてチャットしている。特に目的がなく、ニコニコ動画に来たときに、ユーザーが集まれる場所を作りたかった」と話す。

 夏野氏は、ニコニコ広場が目指すものについて、ニコニコ動画の非リアルタイムコメントと、ニコニコ生放送のリアルタイムコメントを合わせた「クラウドメッセージング」だと説明する。クラウドは、雲の「Cloud」ではなく、群衆の「Crowd」を指す。「ニコニコ動画は、ネット上のサービスを群衆で共有していく考え」とした。

 「従来のネットサービスは、個人に便利(パーソナライズ化)になっていったが、それにより、共通体験の場が減った。ニコニコ動画は逆の方向へ進む。ネット上で共有体験の場を作り、1つの社会にしていきたい」。ニコ割が始まると広場へ自動で移動するのは、共通体験の場を促進するきっかけだという。ニコニコ広場は、同じ時間を大勢で共有する場所になる。


クラウドメッセージング クラウドメッセージングはニコ動にもともとあるテーマ クラウドメッセージングの内容

従来のネットサービスの進化 ニコニコ動画の方向性 クラウドメッセージングへの取り組み

ユーザー専用の広告枠やコミュニティの強化など

ユーザーを「提供」として表示

コミュニティに引用した動画の元コメントを残す機能
 ユーザーが動画のスポンサーになれる「ニコニ広告」を開始する。自分が投稿した動画や他のユーザーが投稿した動画に対して、有料ポイントシステム「ニコニコポイント」を使い宣伝・応援することが可能だ。

 ニコニ広告が入った動画は、動画検索結果ページ(タグ検索)の上部に表示され、他の動画よりも目立つようになる。また、当該動画の再生終了後に、スポンサーとなったユーザーの名前が「提供」表示される。

 ニコニ広告を使うには、動画を指定し、応援コメントを入力した上で、動画のタグを指定する。最後に消費ポイントを選べば完了となる。なお、広告に必要なポイントは1口100ポイント(1ポイント1円)。1つのタグ検索に対し、3つの動画を表示できる広告枠を用意する。広告有効期間は1回の応援につき1週間。ニコニ広告は2009年1月開始の予定だ。

 「ββ」では、基本機能も強化する。プレミアム会員限定だが、マイリストの上限を5日から1万2500件に引き上げるほか、動画投稿時のファイルサイズ・ビットレート制限を10日から緩和する。ファイルサイズは100MBで、ビットレートは1Mbpsになり、より高画質の動画をアップロード可能になる。

 ニコニコミュニティも5日から順次強化する。コミュニティ内のメンバー間で動画の設定などを編集できる「共同作業機能」や、動画再生画面および検索画面において、動画が作成されたコミュニティを表示する「出身コミュニティ機能」を追加する。このほか、コミュニティ内の掲示板を強化し、複数スレッド対応や新着レスのメール通知機能などを搭載する。

 西村氏は、「ββ」について、「ユーザー生放送とニコニコ広場が一番やりたかったこと。この2つの機能が追加された時点でββにしたかった」とコメント。「2008年12月12日でニコニコ動画は2周年になる」と話した。また、ドワンゴの小林氏は、「とにかく来年中に単月黒字を実行する。黒字にした上で、さらにサービスを拡充したい。ニコニコ動画は拡大路線に走る」との考えを示した。

 最後に夏野氏は、ドワンゴに入って以降に感じたニコニコ動画の印象について、「よく以前の状態でここまで運営できたサービスだなと思った」とコメント。「ニコニコ動画に参加してから広告枠を変更しただけで、1.5倍以上の収益になった。それまでも満稿率90%以上だったので、枠が足りなかっただけ。そういったベーシックな変更だけで、成果が出る。逆に言えば、ニコニコ動画のポテンシャルは非常に高いということ。日本の本当のIT革命はニコニコ動画にかかっているとさえ思っている」と語った。


発売が延期されていた「ニコニコムービーメーカー(動画)」は2月発売。価格は未定 ニコニコ動画の今後のスケジュール

ユーザーからの質疑応答。前回のニコニコ大会議で話題になったユーザーも参加 新バージョンのデモなどによく登場するニコニコ動画のスタッフ。ユーザーに人気 ラストに笛のお兄さん「Fooさん」も登場。姿は最後まで謎


会場ロビーの様子。各界の著名人から贈られた花が並ぶ。IT関連ではヤフーやグーグルからも。物販コーナー前は黒山の人集りができていた。パンフレットをはじめ、ニワンゴやニコニコ動画のグッズを用意。なお、一部グッズはコミケでも販売するという。


サッカーの「ひろゆき記念」で作られた「西村博之像」。「落書き禁止」との注意書きがあったが、像の横にはマジックペンが添えられていた。イベントの最後には淡々たる状態

関連情報

URL
  ニコニコ動画(冬)
  http://www.nicovideo.jp/

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( 野津 誠 )
2008/12/05 19:44

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