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2016年10月21日金曜日

mixiの社外取締役を辞任しました。

■mixiの社外取締役を辞任しました。

 昨日、mixiの社外取締役を辞任致しました。
 一身上の都合です。

 背景には、チケット高額転売の問題があります。
 本件は、8月に著名アーティストが連名で「私たちは音楽の未来を奪うチケットの高額転売に反対します」と意見を表明したことで表面化しました。
 
 その後、各種報道もなされ、注目が高まっています。
 NHKクローズアップ現代「追跡!チケット高額転売の舞台ウラ
 「チケット高額転売にNO! 嵐など声明に賛同、議論白熱」
 「なぜ今、「転売NO」と訴えたのか――チケット高額転売問題、音楽業界の本音
 日経新聞社説「健全なチケット転売市場を」

 本年はじめごろから業界内で正常化を求める動きが強まり、mixiの子会社であるチケットキャンプにも事態を改善する声が高まっていました。

 問題はチケットを大量に入手して高額で販売するいわゆる「転売ヤー」です。
 さりとてチケットを売る音楽業界と、さばくチケットキャンプなどのプラットフォームとが解決策を見出すべき案件です。

 私はmixiの役員であると同時に、音楽制作者連盟(音制連)とも音楽事業者協会(音事協)とも関係があります。音制連・音事協との連携により日本のほぼ全てのミュージシャン情報を網羅するデータベースの構築・運用にも携わっています。

 恐らく両サイドに足場を置く唯一の者として、本問題の解決を期してまいりました。mixi側と音楽業界とが向き合う機会づくりに努め、両者に握手してもらいたいと考えてきました。

 しかし、私の力が及ばず、アーティストの意見表明や、その後の報道などに至っています。責任を感じております。

 互いへの守秘義務もあり、詳しくは申し上げません。ただ、現状では、私が調整役を努めるより、座を外したほうが互いに腹蔵なく対話できるのではとも期待する次第です。

 mixi側にも、音楽業界側にも、できること、すべきことがあると考えます。これについては経済学者、業界関係者、メディアなどからもさまざまな発言が見られます。行政サイドにも知恵をいただくのがよいかもしれません。互いに話し合って調整いただければと存じます。



 私がmixiの取締役に就いたのは、2009年、7年前になります。当時、青少年とネットとの関わりを巡り、SNSに対する行政の風当たりが強まっていた時期で、笠原健治さんに請われて、私も公益的な観点からお役に立てればと思い参加致しました。

 それから朝倉さん、森田さんへと社長も代わり、取締役の中では私は笠原さんに次ぐ古株になっていました。政府の会議などでは今も若手扱いされることがありますが、mixiの会議では私は一人だけシニアの存在でありました。

 青少年問題を巡って安心ネット協議会の設立に至ったり、コンプガチャを巡ってJASGA(ソーシャルゲーム協会)を設立したり、公益の仕事に発展したこともあります。

 業績が厳しいときも、絶好調なときも、ともに見てまいりました。モンスターストライクが世界収益ランキング1位に輝いたときには、若いのにスゴい連中だな、クラクラ致しました。

 mixiが一貫して切り拓いているコミュニケーションの領域は、これからようやく本番を迎えます。あと100年は成長するでしょう。ぜひその世界を開拓し続けてもらいたい。


 老兵は離れますが、これからもmixiの発展を見守ります。みなさまもどうぞよろしく。

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