井上尚弥、聖地ラスベガスデビュー…メインでファイトマネー1億円 アメリカンドリーム体現だ
◆プロボクシング WBA&IBF世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上尚弥―ジェーソン・モロニー▽スーパーライト級(63・5キロ以下)ノンタイトル戦 平岡アンディ―リッキー・エドワード(10月31日=日本時間11月1日、米ネバダ州ラスベガス MGMグランド)
WBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥の聖地ラスベガス・デビュー戦は1日(現地時間10月31日)に行われる。日本人軽量級ながらメインイベンターに抜てきされ、ファイトマネーは破格の1億円。各ブックメーカーのオッズもほとんどが1倍台をつける圧勝ムードの中、井上は現地30日に前日計量に臨み、117・7ポンド(約53・3キロ)で一発クリア。注目の一戦を前にも動じない振る舞いに、師匠の大橋秀行会長(55)は「木鶏(もっけい)のようだ」と勝利を確信した。
軽量級の日本人ボクサーが聖地ラスベガスでメインを張ることがいかに快挙なことか。国際マッチメーカーのジョー小泉氏は「これまでラスベガスで試合をした龍反町、西岡利晃、村田諒太らの方が規模的には大きい。でも、コロナ禍の特殊な状況で、破格のファイトマネー、ESPNプラスによる全米中継、聖地でメインを張る、など希有(けう)なこと」とうなった。
井上が契約する業界最大手のプロモート会社「トップランク」の熱の入り方に、小泉氏は「“モンスター到来”などとここまで力を入れて宣伝するのは珍しい」と目を見張っている。
ボブ・アラムCEOのもと、かつてはムハマド・アリ、レナード、ハーンズ、現在はロマチェンコ、クロフォードと超一流ボクサーと契約し、次々と大イベントを手がけてきた同社が、日本人ボクサーに注目し、無観客試合にもかかわらず1億円をポンと出した。昨年11月のドネア戦の衝撃やリングマガジンで「パウンド・フォー・パウンド」(全階級を通じた最強ランク)2位になったことで話題性も広がった。
「全米のファンも、井上がどれくらいすごいのか注目している。井上は日本人史上最高の一人でしょう」と小泉氏。勝てば、報酬も倍々ゲームとなるのは必須。井上はアメリカンドリームを体現しようとしている。
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