芹香斗亜、異動後初センター「群盗」26日から東京公演スタート!

スポーツ報知
「赤と黒のイメージかな」と表現した作風通りのビジュアルで魅了する宙組スター・芹香斗亜

 宝塚歌劇宙組・芹香斗亜(せりか・とあ)の主演作「群盗」が、大阪公演に続き、26日~3月4日に東京・日本青年館ホールで上演される。星組、花組を経て、一昨年10月に異動した宙組では初のセンター。今春で入団13年目を迎える2番手スターは「宙組に来て、ちょっと若返ったというか、昔のやんちゃさを取り戻した。周りが見えるようになり、楽しめる余裕が出てきたのかも」と柔らかな表情を見せるとともに、若手を引っ張るたくましさも感じさせる。(筒井 政也)

 本作は、18世紀ドイツを代表する詩人フリードリッヒ・フォン・シラーの同名戯曲が原作。伯爵の息子カール(芹香)が大学で自由思想に目覚め、厳格な父に勘当されたことを機に、仲間と義賊集団を結成するが…。

 脚本・演出の小柳奈穂子氏からは「盗んだバイクで走り出す」という故・尾崎豊氏の「15の夜」の歌詞でイメージを伝えられたとか。「ダークな印象があったんですが、思っていた以上にタカラヅカ。カールは家族、恋人、仲間を思う好青年。真っすぐひたむきに生きているけど、若さゆえ突っ走ってしまう。悲劇的だけど、青春物という感じですね」

 熱さの中にやるせなさも抱える難役だが、丸12年のキャリアがありながら、みずみずしさを持ち続けている芹香の魅力が発揮されている。「若い頃からあまりエネルギッシュなタイプではないんですが」と苦笑しながらも、入団後の“青春期”を思い返し、「だからこそ今がある」。

 最初の5年間は星組で「同期とたくさん悪いことをして、よく怒られました」。12年に花組へ移り、15年に2番手に。「一生懸命でしたが、自分のことだけしかできなかったな。上級生にならなきゃと背伸びした部分もあって、おとなしくしていたというか」。巡り巡って、星組時代に先輩だった1期上のトップスター・真風涼帆と再び同じ組へ。

 異動直後は「コーラスの宙組」と称される個々のスキルの高さに驚いた一方、若手の慎重さが気になった。「初めて与えられたものに対して貪欲になれるか、いかに自分を格好良く、かわいらしく見せるかについては、ちょっと奥手。石橋を叩きすぎて割れちゃった、みたいな。舞台って目立ったもの勝ちなところがある。もっと、やっていいんだよ! 星組も花組も、みんなキャラが濃いので、そこは伝えていきたい」。本公演も、共演はほぼ下級生。「宙組にはこんなパワーがあるのか、と思っていただけたらうれしい」と“兄貴分”からの視線でPRした。

 次回大劇場公演「オーシャンズ11」(4~7月)は、組全体の後輩に背中を示すには最適の舞台だ。11年星組版では今回演じるラスティー役に新人公演で挑み、13年花組版は新公センターを務めた。「やる人によって違うカラーが出る。今回は宙組らしい作品になるのでは」。偶然にも「群盗」に続く盗っ人役。「盗みたいものは…真風さんの肌。恐ろしいぐらいキレイ。保湿をちゃんとすることが今の一番の目標です(笑い)」。色紙に記した文字は「潤」。美肌だけでなく、宙組の歯車も滑らかにしていく。

 ◆芹香 斗亜(せりか・とあ)1月20日生まれ。神戸市出身。2007年3月「シークレット・ハンター」で初舞台。93期生。星組から12年4月に花組へ異動し、17年10月に宙組に組替え。身長173センチ。愛称「キキ」はサンリオのキャラクター「リトルツインスターズ」のキキ&ララに似ていると、元星組トップスター・安蘭けい(現女優)が命名。

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