サイエンス

TwitterやFacebookが脳に与えている5つの影響とは

By ra5kel

世界の全人口の3分の1に相当する人々がTwitterやFacebookといったソーシャルメディア・SNSを利用しています。Facebook中毒を電気ショックで克服するハードウェアが登場するなど、SNSは人々の生活にさまざまな影響を与えているわけですが、複数の研究などで判明している「ソーシャルメディアやSNSが実際に脳に与えている5つの影響」がイラスト入りのムービーで解説されています。

5 Crazy Ways Social Media Is Changing Your Brain Right Now - YouTube


◆1:ログオフできない
インターネット・ユーザーのうち5~10%は、オンライン上で過ごす時間を自分自身でコントロールできません。これはカフェインなどの物質的中毒の対角線上に位置する「心理的中毒」と呼ばれています。


心理的中毒に陥っている人々の脳をスキャンしたところ、薬物依存症患者と同様の脳の損傷が認められています。


具体的には、注意力や意志決定など、感情的処理にかかわる脳の白質の劣化が確認されています。これはSNSが小さな労力ですぐさま報酬が与えられる仕組みであるため、パブロフの犬のように自分で自分を条件付けしてしまい、まるでドラッグと同じように、神経学的な興奮を求めて何度も報酬を求める(SNSを見る)行動に出てしまうわけです。


◆2:デバイス・マルチタスク
さまざまなSNSを使っている人や仕事でウェブサイトを頻繁に切り替える人にとって、数種類のデバイスを同期して使うマルチタスクは有益に見えます。しかし、ある研究によると、マルチタスクユーザーにタスクの切り替えテストを受けてもらったところ、不要な切り替えが多く、非効率的だったことがわかっています。


これはマルチタスクが脳の能力にフィルターをかけてしまい、新しい情報の記憶が難しくなってしまうためと考えられています。

◆3:幻想振動症候群
鳴ってもいない電話が振動したように感じたことはないでしょうか。これは幻想振動症候群と呼ばれる新しい心理現象で、ある研究では、幻想振動症候群に陥っている人たちは、2週間に1度の割合で幻の振動を感じるとのこと。


テクノロジーの発展が神経系に作用している証拠であり、脳は「電話の振動」という知覚を持ち始めています。これは今までの歴史で起こりえなかった脳の反応です。


◆4:ドーパミンの放出
ドーパミンは放出されると気分は良くなるなどの作用を持つ神経伝達物質です。MRIスキャンの結果、SNSユーザーは他人のSNSページよりも自分のページを見ている時に、脳が喜びを感じる部位が活性的になり、より多くのドーパミンが放出されているとのこと。


「自分のページを見て楽しい」、というのはさほど驚くべきことではないかもしれません。対面でのコミュニケーションでは自分のことを話す割合は30~40%にとどまりますが、SNS上の割合は80%に達するというデータがあります。これは脳がある種のオーガズムを体験しているのと同じ状態であり、フォロワーが多ければ多いほどこの効果は増大します。SNS上で話すことで、自分自身に報酬を与えているというわけです。


◆5:オンライン上の出会い
SNSが脳に与える影響は、自分自身に対するものばかりではありません。人間関係に関する研究では、恋人同士が初めて出会った場所が「インターネット」だった場合、初めての出会いが対面だった場合に比べて、お互いにより親密な気持ちを抱く傾向にあることが判明しています。


さらに匿名からの出会いやお互いの将来の目的が明確であった場合、オンライン上の出会いから結婚に至る確率は増加傾向にあるということです。

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in ネットサービス,   サイエンス, Posted by darkhorse_log

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