空自新型飛行点検機、U-680A 3機揃う いよいよYS-11退役へ

空自新型飛行点検機、U-680A 3機揃う いよいよYS-11退役へ

ニュース画像 1枚目:入間基地にノルウェー国籍レジで飛来した空自フライトチェッカー (c1c2c130さん撮影)
© FlyTeam c1c2c130さん
入間基地にノルウェー国籍レジで飛来した空自フライトチェッカー (c1c2c130さん撮影)

航空自衛隊入間基地に3機目のサイテーション・ラティチュード680Aが2021年1月20日(水)、到着しました。1・2号機と同じくノルウェー国籍の機体記号(レジ)「LN-TAI」をまとって入間基地まで飛来しました。

フェリー経路は、1月18日(月)にオスロ空港からロヴァニエミ、ロシア・ブラーツクを経由し、成田国際空港に1月19日(火)、到着しました。さらに1月20日(水)、入間基地へフェリーされました。3機目の到着により、計画された新型の飛行点検機(フライトチェッカー)U-680Aが3機、揃いました。2020年度末にはYS-11FC「52-1151」が退役します。

空自の新型飛行点検機として2016年12月、テキストロン製造のサイテーション・ラティチュード680Aが選定されました。機種の選定基準は、本土から離れた海上自衛隊の南鳥島航空基地など、遠距離に対応できる航続距離、短い滑走路でも離着陸できることが条件でした。鹿屋航空基地の飛行点検中に発生した2016年4月の事故の教訓を踏まえた強化型対地接近警報システムなど安全対策が講じられていることも選定条件に加えられました。

機体の製造後にはフライトチェッカーとして、陸上自衛隊、海上自衛隊の航空保安無線施設の点検を実施するための機器を搭載するため、オスロで改修されました。ノルウェイジャン・スペシャル・ミッションズ製の飛行点検装置が搭載された後、日本にフェリーされています。機体は、主翼先端のウィングチップの流れるデザイン、塗装された赤のラインの流線型など、これまでのYS-11FC、U-125などの伝統を受け継ぎつつ、空自はウェブサイトで「最新のフライトチェッカーは、とても美しい機体です。」と新型機を紹介しています。

なお、フライトチェッカーのベースとなるサイテーション・ラティチュード680Aはセスナが開発したビジネスジェットで、現在はテキストロン・アビエーションが製造しています。諸元は全長18.97メートル、全幅22.05メートル、全高6.38メートル、最大離陸重量13,971キログラム、巡航速度826メートル、実用上昇限度13,716メートル、航続距離5,278キロメートルです。

ニュース画像 1枚目:間もなく退役するYS-11FC (suu451さん撮影)
© FlyTeam suu451さん
間もなく退役するYS-11FC (suu451さん撮影)

YS-11FCの「52-1151」は、1965年2月15日(月)に初飛行。1992年3月にVIP機から飛行点検機に改修され、現在まで全国各地の飛行場を点検してきました。特に、入間基地から近い立川飛行場への確認を数多く重ねてきました。「52-1151」は、YS-11製造時オリジナル構成のロールス・ロイス製ダート・ターボプロップエンジンを搭載する4枚羽のプロペラが特徴です。新型コロナウイルスで外出することが厳しく、今後、入間基地Twitterなどでその動向の紹介が待たれます。

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