生瀬勝久、竹中直人との共演は「至福の時間」竹生企画『火星の二人』開幕


竹中直人と生瀬勝久がタッグを組む演劇シリーズ“竹生企画”の第3弾公演『火星の二人』。前作に引き続いて作・演出に倉持裕を迎え、ヒロインとして上白石萌音が出演する本作の囲み会見&フォトコールが2018年4月10日(火)、東京・シアタークリエで行われ、竹中、生瀬、上白石が公演への思いを語った。

本作は、大事故から奇跡的に生き延び、正気を失ってしまったた主人公の元に、同じ事故から生還し活力をみなぎらせた男が訪ねてくることからスタートする“生き抜くことを巡る物語”。ビターで、シニカルで、独特な笑いの世界が展開する倉持の真骨頂とも言える作品だ。

『火星の二人』02

会見で竹中は「相変わらず、初日は緊張しちゃって嫌です。胃が痛いし、お腹痛いし、“ああ苦しい”って感じ」と初日を控えた心境を話すも「新たな倉持裕の世界を感じました。全部が見どころです。生瀬くんと俺が絡んでいるだけで見どころになっています」と本作への自信を見せる。

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一方、生瀬は「初日を乗り切れば、そのままの勢いでできると思うので、集中してやりたいです」と初日への意気込みを語り「前の2作品をご覧になった方も、また新しい倉持ワールドを楽しんでいただけたら」とアピール。竹中とは、3回目の舞台共演となる生瀬だが「竹中さんに憧れてこの世界に入ってきたので、今でもちょっと照れ臭い」と改めて共演を喜び「普段は憧れの人だから口も聞けないけれど、舞台上では同じ板の上で、楽しく過ごせて至福の時間です」と満面の笑みで語った。

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本作が竹生企画に初参加となる上白石は、オファーを受けた時の心境を「舞い上がるような感じでした」と振り返り「前作(第2回公演『ブロッケンの妖怪』)を劇場に観に行き、第3弾も見に行こうと思っていたところで、まさかお声かけいただけるとは。(自身の)初主演映画で竹中さんとご一緒して、また共演させていただきたいと思っていたのですが、これほど早く叶うと思っていなかったので、嬉しかったです」とにっこり。

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竹中は、上白石に出演をオファーした理由を聞かれると「ますます、すごいことになりそうだ、という予感があったんだと思います。声の音色も素敵だったので、倉持さんの世界に上白石さんが出たらどうなるんだろうという思いもありました」とコメント。これを受けて、上白石は「毎日、皆さんのエネルギーやお芝居を目の当たりにして、こんなにもお芝居って深いんだということを改めて感じていました。学ぶことが溢れた楽しい稽古場で、それは公演中も続くものだと思っています」と瞳を輝かせた。

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この日のフォトコールでは、ある大学教授・朝尾(竹中)の家を、志波(生瀬)と名乗る男が訪れ、朝尾が遭遇したジェットコースターの事故について話を聞くシーンが上演された。

朝尾は、一年ほど前に郊外の遊園地で事故に遭遇する。ジェットコースターの一両がレールを離れて落下し、乗客7名のうち5名が即死。朝尾はその“奇跡の生還者”の一人で、今は大学も休職中の身だ。以来、事故のことを語りたがらず、人が変わったかのような朝尾に家族は困惑する。そして、その影響を受けたのか、大学生の息子・正哉(池岡亮介)も目指していた俳優を辞め、手堅い就職を考えるようになり、付き合っていた彼女のさやか(上白石)ともギクシャクしてしまう。そこで、家族らは「事故の話を聞きたい」と執拗に連絡をしてきた志波を迎え入れたのだが…。

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竹中と生瀬の会話を中心に物語が展開していく本作。会話が進むうちに、それぞれのキャラクターの事情や思いが浮き彫りになる。個性派として知られ、テンションの高い役柄を演じることも多い竹中と生瀬だが、この日に公開されたシーンでは、重厚でありながら、圧倒的なリアリティを感じさせる会話が印象的だった。

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『火星の二人』は、4月10日(火)から4月25日(水)まで東京・シアタークリエにて上演される。その後、大阪、愛知、富山、石川、長野、宮城、岩手、栃木、新潟、香川、広島、鹿児島、長崎、福岡を巡演予定。詳細は以下のとおり。

【東京公演】4月10日(火)~4月25日(水) シアタークリエ
【大阪公演】4月28日(土)~4月30日(月・休) サンケイホールブリーゼ
【愛知公演】5月2日(水)・5月3日(木・祝) 刈谷市総合文化センターアイリス
【富山公演(富山市)】5月5日(土)・5月6日(日) 富山県民会館
【富山公演(小矢部市)】5月7日(月) クロスランドおやべ メインホール
【石川公演】5月10日(木) 本多の森ホール
【長野公演】5月12日(土) サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)
【宮城公演】5月15日(火) 東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)
【岩手公演】5月17日(木) 北上市文化交流センター さくらホール 大ホール
【栃木公演】5月19日(土) 小山市立文化センター 大ホール
【新潟公演】5月21日(月) りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 劇場
【香川公演】5月24日(木) レグザムホール(香川県民ホール)・大ホール
【広島公演】5月26日(土) JMSアステールプラザ 大ホール
【鹿児島公演】5月29日(火) 鹿児島市民文化ホール 第1ホール
【長崎公演】5月31日(木) 長崎ブリックホール 大ホール
【福岡公演】6月2日(土)・6月3日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール

(取材・文・撮影/嶋田真己)

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