衛生動物
Online ISSN : 2185-5609
Print ISSN : 0424-7086
ISSN-L : 0424-7086
症例報告
富山県における2010年以降のマダニ人体刺症10例,特にタカサゴキララマダニ症例に注目して
山内 健生 中谷 友美
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 67 巻 4 号 p. 239-242

詳細
抄録

2010~2015年に富山県で経験したマダニ人体刺症10例を報告した.それらの内訳は,ヒトツトゲマダニ3例,タカサゴキララマダニ2例,およびキチマダニ,ヤマトチマダニ,フタトゲチマダニ,ヤマトマダニ,シュルツェマダニがそれぞれ1例ずつであった.これらのうち,ヤマトチマダニによる1例は,北海道で刺咬されたものと推定された.

今回2例を報告したタカサゴキララマダニによる人体刺症は,富山県では1976年に1例が確認されて以来の症例である.富山県では,近年のイノシシの定着にともなって,イノシシと関係の深いタカサゴキララマダニによる人体刺症が発生していると考えられる.

著者関連情報
© 2016 日本衛生動物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top