第四紀研究
Online ISSN : 1881-8129
Print ISSN : 0418-2642
ISSN-L : 0418-2642
山口県に分布する阿蘇4テフラの古地磁気方位
藤井 純子中島 正志石田 志朗松尾 征二
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 39 巻 3 号 p. 227-232

詳細
抄録

山口県の中央部に分布する宇部火山灰層の古地磁気測定を行った.宇部火山灰層は,阿蘇4火砕流堆積物の周縁相であり,その下部層と上部層はそれぞれ阿蘇カルデラ西側の八女軽石流および鳥栖オレンジ軽石流に対比されている.
下部層の9地点と上部層の11地点で,安定な古地磁気方位が得られた.それぞれの層平均磁化方位はDm=1.7°W,Im-46.9°N,α95=2.5°とDm=0.9°W,Im=43.4°N,α95=3.3°になり,偏角はほぼ同じであるが,伏角に3.5°の差が見られた.この下部層と上部層の磁化方位の差は,地磁気永年変化に起因すると推定される.
下部層の平均磁化方位は,大分県の阿蘇-4Aおよび全国各地の阿蘇4火山灰のそれと良く一致する.上部層は,阿蘇-4Aと阿蘇-4Bの磁化方位の中間的な方位を示す.

著者関連情報
© 日本第四紀学会
前の記事 次の記事
feedback
Top