日本耳鼻咽喉科学会会報
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和歌山県におけるスギ花粉特異的IgE抗体陽性率の疫学調査
1995年の調査と1985年, 1990年の比較
榎本 雅夫硲田 猛真嶽 良博芝埜 彰斉藤 優子高橋 将範十河 英世藤木 嘉明
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1999 年 102 巻 12 号 p. 1311-1317

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抄録

和歌山県下のスギ花粉症の現状を把握するため, 1321例の自然集団を対象として, スギ特異的IgE抗体をルミワードイムノアッセイシステムで測定した. その結果, クラス2以上の陽性者は30.9%であった. 過去の同様の調査, 13.9% (1985年), 18.3% (1990年) より明らかに増加していた. 性別では女性よりも男性に多かった. 年齢では20歳代に陽性者が最も多く, 加齢と共にその陽性率は減少した.
スギ特異IgE抗体陽性率に及ぼす各種の環境要因について検討したが, 過去の調査では検討学的に有意差のでた項目で有意差はみられず, 陽性者増加の要因を明らかにすることはできなかった.

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