燃料協会誌
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木炭の生産と利用の現況と將来
岸本 定吉
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1962 年 41 巻 9 号 p. 737-751

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抄録

わが国は年間130万tの木炭を製炭しているが, 世界で年間100万t以上製炭している国はわが国以外にはほとんど見当らない。わが国の木炭は炭質優良でこの原因は製炭の長い歴史と伝統に基因している。
わが国には日本古来の原始的製炭法伏燒と中国渡来と解される築窯製炭法と近代的製炭法の三方法があるが, 築窯製炭法が大部分で, 白炭と黒炭とが製炭されている。茶の湯と関係が深く, 日本木炭は外観要素を重要視している。家庭燃料用が多いが, 業務用, 工業用が多くなってきた。日本木炭は手工芸的製炭方法によつているので炭価が高く工業用途に不適である。また原木高と労務不足は製炭を次第に不可能にしている。そこで木材加工過程に生ずる大量の廃材を安価に製炭する近代的製炭法が出現するにいたつた。木炭は易反応性, 高孔隙性などの特徴があるので, この特徴を生かした工業的利用が将来期待される。

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