2022 年 41 巻 1 号 p. 123-130
殺人未遂事件を起こした統合失調症の対象者に生活行為向上マネジメント(以下,MTDLP)を用いて関わり,「生活行為申し送り表」を通して指定通院医療機関の作業療法士と情報共有し,共に対象者の就労移行を支援した.この結果,対象者は就労継続支援事業所にてやりがいを感じられる仕事に就くことができた.本介入から,MTDLPは対象者の主体的な治療参加を動機づけ,合意目標の達成を目指して対象者と両親,専門的多職種チーム,指定通院医療機関のスタッフの連携を促進するとともに指定入院医療機関と指定通院医療機関における連携を強化し,対象者のシームレスな支援を可能にすると考えられた.