肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
重症型アルコール性肝炎における性差および予後因子の検討
針原 重義木岡 清英福井 博門奈 丈之
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 39 巻 10 号 p. 720-724

詳細
抄録

多施設アンケート調査により集計された22例の重症型アルコール性肝炎の性差および予後因子について検討した. 男女比は16 : 6で生存率は45%であった. 1日アルコール摂取量には性差はなかったが, 飲酒期間は男性29±13年, 女性14±11年で有意に女性の方が短かった. 男性では入院時に腎不全を合併する率が44%と高率であった. 女性は白血球数の増加が著明で, 赤血球数の減少も認めた. また, 男性は血小板数の減少を認めた.
予後因子の検討では入院時に腎不全, アルブミン低値, 赤血球数減少を認めた場合, 有意に予後不良であった. また, 経過中に肝性脳症, 感染症 (特に肺炎), 腎不全, およびエンドトキシン血症を合併した場合は有意に予後不良であった.

著者関連情報
© 社団法人 日本肝臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top