2010 年 25 巻 1 号 p. 1-4
家住性ゴキブリの中では,チャバネゴキブリとクロゴキブリは飢えや渇きに弱く,ワモンゴキブリ,トビイロゴキブリは餌無し,もしくは,水無しの条件に耐えた.特に,家住性の若令幼虫は渇きに弱かった.野外性ゴキブリはそれらの過酷な条件に耐えた.ゴキブリは飢えよりも渇きに対する耐性が欠如していることから,食品工場などでは残滓の管理以上に水の管理が重要であることが示唆された.また,野外性ゴキブリが家屋内に侵入した場合,餌や水を絶っても長期間生き続けることができることから,監視の重要性が指摘される.