西日本皮膚科
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症例
膵癌全摘術後に発症した腸性肢端皮膚炎の1例
米良 ゆかり児浦 純義(生)橋口 貴樹寺崎 健治朗米良 健太郎金蔵 拓郎神崎 保
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2007 年 69 巻 1 号 p. 28-30

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抄録

49歳,男性。膵頭部癌に対して膵臓全摘術と十二指腸切除術を施行した。手術の約1年後より口囲,肛囲と両下腿に紅斑,落屑,びらんが出現し,次第に拡大するため当科を受診した。血清亜鉛の著明な低下を認め,獲得性腸性肢端皮膚炎と診断した。治療としてプロマック®(ポラプレジンク)1日150mg(亜鉛として32mg)の投与を開始したところ内服7日目には皮疹は劇的に改善した。膵臓全摘術後の症例に対する亜鉛の必要性に関して若干の文献的考察を加えて報告する。

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© 2007 日本皮膚科学会西部支部
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