日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第32回大会 シンポジウム ─吸入麻酔薬─
キセノン麻酔について─利点,欠点,将来の展望─
水原 敬洋後藤 隆久
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2013 年 33 巻 5 号 p. 736-741

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抄録

  キセノンに麻酔作用があることが1946年に報告されて以来さまざまな研究が行われ,その特性が麻酔薬として理想的であることが判明している.キセノンはすでに欧州では麻酔薬として臨床認可されており,本邦でも臨床認可される可能性はあると考えられる.キセノンは導入・覚醒が早い,鎮痛作用を持つ,術中の循環動態が安定する,脳保護作用を持つ,術後認知機能障害を予防できる可能性がある,といった多数の利点を持っている.しかし一方で,キセノン自体のコストは高く,臨床普及を阻む欠点となっている.本稿ではキセノン麻酔の利点と欠点を概説し,今後の展望についてまとめる.

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© 2013 日本臨床麻酔学会
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