日本内科学会雑誌
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V.最新の肺炎予防の実際
1.インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの重要性
丸山 貴也
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2011 年 100 巻 12 号 p. 3570-3577

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抄録

高齢者にとって肺炎は,生命を脅かす重篤な疾患であり,肺炎球菌は最も頻度が高く,重症化しやすい原因微生物である.2009年のインフルエンザA(H1N1)の流行の際,肺炎球菌との混合感染による重症化が明らかとなった事や,近年,日本人を対象としたインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用による予防効果,経済効果が報告された事から,両ワクチンの重要性が広く認知されるようになってきている.しかしながら,肺炎球菌ワクチンの公費助成については,国は主導しておらず,各自治体が独自に行っているのが現状である.今後は国民が公平にサービスを受けられる様,国が主導してワクチンの接種費用を助成し,両ワクチンの接種率向上に努める必要がある.

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© 2011 一般社団法人 日本内科学会
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