パーソナリティ研究
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原著
統合失調症患者の原因帰属および抑うつ・不安が被害妄想的観念の3側面に及ぼす影響
村上 元森元 隆文西山 薫池田 望
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2018 年 27 巻 1 号 p. 42-52

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抄録

本研究は,被害妄想的観念の頻度,確信度,苦痛度の3側面に対して影響を与える要因を検証することを目的とした。被害妄想的観念への影響要因としては原因帰属,不安,抑うつを想定した。原因帰属は,内在性,安定性,全般性の3次元とし,内在性についてはさらに内的帰属,外的–状況的帰属,外的–人的帰属の3次元に細分化した。研究には統合失調症患者48名が参加した。階層的重回帰分析の結果,被害妄想的観念の頻度には抑うつと全般性が,確信度には抑うつ,外的–人的帰属,および全般性が,苦痛度には抑うつと不安が影響を与えていた。以上のことから,被害妄想的観念の3側面それぞれは,影響をおよぼされる要因が異なることが示された。したがって,被害妄想的観念への介入に際しては,各側面ごとに,感情の統制,もしくは原因帰属の把握が必要であることが示唆された。

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© 2018 日本パーソナリティ心理学会
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