生命倫理
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生殖補助医療法をめぐる議論の歴史とその意義 : 「死後生殖」、「代理懐胎」、「子どもの出自を知る権利」をめぐる内外の状況
林 かおり
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2008 年 18 巻 1 号 p. 126-133

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抄録

日本では、生殖補助医療法の立法化の必要性が各界から叫ばれつつも、国会における審議がなかなか進まないという状況が続いている。2000年と2003年、旧厚生省「厚生科学審議会先端医療技術評価部会生殖補助医療技術に関する専門委員会」と厚生労働省「厚生科学審議会生殖補助医療部会」の二つの会議の報告書が発表された。それと前後して、「死後生殖」や「代理懐胎」など、現時点では日本産科婦人科学会が承認していない生殖補助医療が実施されていたことが判明し、大きな問題になっている。さらに現在、「代理懐胎」と並び、この分野の最大のテーマとなっているのは、「子どもの出自を知る権利」の問題である。本論文では、日本における「死後生殖」、「代理懐胎」、「子どもの出自を知る権利」の状況を踏まえ、それらに関する海外の法制度について概観する。

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2008 日本生命倫理学会
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