1999 年 21 巻 7 号 p. 467-470
気管支喘息の急性増悪の誘因にパラインフルエンザウイルス3感染が示唆された症例を経験した。症例は31歳, 女性で, 24歳時気管支喘息と診断された。1998年4月初め咳発作出現し, 増悪したため, 当科に入院した。喘息発作軽快後に気管支鏡検査を施行した。気管支粘膜の発赤と血管増生を認め, 気管支粘膜生検を施行した。病理組織学的に気管支上皮細胞の合胞性巨細胞化を認め, ウイルス感染が疑われた。血清学的にパラインフルエンザウイルス3(HI)抗体価が16倍から256倍と有意に変動しており, 気管支喘息急性増悪因子の可能性が示唆された。