日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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重イオンビーム照射により作出した第2ウォールが萼化したトレニアの解析
*佐々木 克友間 竜太郎仁木 智哉山口 博康鳴海 貴子西島 隆明林 依子龍頭 啓充福西 暢尚阿部 知子大坪 憲弘
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p. 0614

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抄録

我々は「新形質花き」の作出を目指し、トレニアを用いて重イオンビーム照射による変異導入を行っている。その中に、第2ウォールが萼化した表現型を示すトレニアmutantが2系統見出された。花器官形成のABCモデルから、これらmutantの表現型はクラスB遺伝子機能の欠損に原因があると予想された。本研究は、変異が導入された遺伝子の特定と、トレニアの花器官形成に関わる情報の収集を目的とする。
トレニアのクラスB遺伝子であるTfGLOおよびTfDEFの発現を、野生型および上記mutantを用いRT-PCRにて解析した結果、2種のmutantではTfDEFは発現していたがTfGLOの発現が全く認められなかった。野生型および2種のmutantについてTfGLOゲノム領域を単離し配列を決定した結果、TfGLO遺伝子発現の欠失に直接の要因と推測される変異は見られなかった。このことから、2種のmutantにおけるTfGLO遺伝子の欠損は、上流の発現調節因子の変異に起因すると推察された。すでにシロイヌナズナ等でクラスB遺伝子の発現調節因子として報告されているAPETALA1LEAFYおよびUFOの発現をRT-PCRで解析した結果、UFO特異的にmRNA量の減少が認められたので報告する。
なお、本研究は、「農林水産研究高度化事業」によるものである。

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© 2008 日本植物生理学会
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