一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-055
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ポスター発表 5月27・28日 食物
タイにおける外来食文化の受容実態
日本食に着目して
*宇都宮 由佳
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抄録

研究目的と方法
1990年代から2000年代初頭急激な経済発展を遂げたタイにおいて、健康志向の高まりとともにヘルシーな日本食が注目され、2007年724店舗だった日本食店は2016年2,713店舗まで増加した。2013年タイ人の日本渡航ビザが免除にされ、来日旅行者が増加し、スーパーやデパートで日本食のイベントが開催されるようなった。本研究では、タイにおける外来食文化、特に日本食の受容実態について、外食産業の動向を踏まえつつ、1997年からの定期的参与観察調査、大学生を対象にしたアンケート(2013年、2015年)及びヒヤリング調査(2016年)から探ることとする。

研究結果
タイでの外国料理店は日本食が最も多く、ラーメン店等の専門店に加え、日本にない「回転寿司しゃぶ」がある。食事は、複数主菜、味噌汁にレンゲを用い、緑茶をストローで飲むなどのタイ様式が維持されていた。
アンケート結果では、好きな日本食が「すし」、嫌いなものは「刺身」であった。タイの「握りすし」は、カニカマ、卵焼き、ツナマヨなどの加熱したネタが多く、色鮮やかで日本のものよりサイズが小さい。刺身は好きと嫌いで2極化していた。ヒヤリングでは、抹茶入りの菓子が人気であった。日本食の価格帯は、緑茶や菓子など手軽なものから高級なものまで幅広い。外食・中食をする頻度の高いタイにおいて、TPOに合わせた多種多様な日本食が受容されていた。








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