日本調理科学会誌
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一汁三菜の食事における好ましい食器の大きさおよび形の組み合わせの検討
伊藤 有紀福留 奈美香西 みどり
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キーワード: 食器, 盛り付け, 一汁三菜
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2015 年 48 巻 5 号 p. 351-358

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抄録

 一汁三菜の食事に適した食器や盛り付けの要点を調理初心者に示すことを想定し,好ましい食器の組み合わせの数値的な指標を明らかにすることを目的とした。まず,もっとも影響が大きいと考えられる飯碗・汁椀以外の食器の大きさについて調べた。飯碗・汁椀の面積(=大きさ)を1.0としたときの三菜(主菜,副菜,副副菜)の大きさ比を種々に変化させて組み合わせた10通りの写真を作成した。料理を盛り付けた状態で女子大学生に好ましさを評価させたところ,主菜2.5:副菜1.5:副副菜1.0の食器の大きさ比がもっとも評価が高く,これを食器の大きさの基準とした。次に,大きさが同一のときの形の影響を調べるためコンジョイント分析を行なった。基準の大きさ比で三菜の食器の形の組み合わせを変えた8通りの写真の好ましさを調理実習指導経験者に評価させたところ,主菜の食器が縦1:横1.6(楕円や長方形)で,副菜の食器が縦1:横1(正円形や正方形)の組み合わせが好まれた。

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© 2015 一般社団法人日本調理科学会
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