皮膚の科学
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症例
特異な臨床像を呈する組織球性壊死性リンパ節炎の1例
臼井 真理子知念 多恵子大橋 則夫関東 裕美伊藤 正俊吉田 正己
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ジャーナル 認証あり

2005 年 4 巻 3 号 p. 254-258

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抄録

29歳,男性。2002年11月より39°C台の発熱を繰り返し,2003年1月に当院内科に入院した。頚部リンパ節生検にて組織球性壊死性リンパ節炎と診断され,プレドニゾロン60mg/日投与にて症状が軽快し,4月にプレドニゾロン20mg/日で退院となった。外来で治療を継続される予定であったが,4月下旬よりプレドニゾロン内服を自己判断で中断したため,7月に発熱の再燃と顔面,上肢に半米粒大の小水疱を伴う滲出性紅斑を生じた。皮膚生検では,表皮の一部は壊死し真皮の血管周囲と毛包周囲にリンパ球と組織球の浸潤を認めた。白血球3,200/μl,C3 35mg/dl,C4 11mg/dl,抗核抗体40倍とSLEが疑われる臨床検査所見を伴っていた。しかし,皮膚およびリンパ節生検組織の浸潤細胞はTunel法にてアポトーシスを示し,本症例の皮膚症状も組織球性壊死性リンパ節炎に伴うものと推察した。

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© 2005 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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