有病者歯科医療
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帯状疱疹に続発した歯槽骨壊死の1例
北岡 祐美宮澤 英樹
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2008 年 17 巻 3 号 p. 169-172

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抄録

三叉神経領域に発症した帯状疱疹に続発して, 歯槽骨壊死がみられた1例を経験したので報告する.
患者は83歳の女性で, 口腔内の腫脹を主訴として近歯科より紹介され来院した. 初診から約1か月前に帯状疱疹の既往があった. 口腔内は右下顎歯肉に発赤・腫脹を認め, 歯槽骨が露出していた. パノラマX線写真で, 右側下顎骨に骨吸収像, 骨分離像を認めた. 血液検査では炎症所見は認められなかったが, 病理組織検査では炎症性細胞浸潤を伴う肉芽組織を認めた.
下顎骨骨髄炎の治療に則して治療し, 初診から約3か月後には口腔内の骨露出が消失し, パノラマX線写真でも骨吸収像や骨分離像が消失した. 初診から1年経過した現在まで順調に経過している.

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