動物臨床医学
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乳牛と新生子牛の血中ビタミンB1、B2、B6およびB12濃度
佐藤 基佳佐々木 雄介望月 均上野 博史山田 一孝大谷 昌之
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キーワード: 乳牛, 予防, 治療, ビタミンB群
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2003 年 12 巻 2 号 p. 93-98

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抄録

乳牛のビタミンB群製剤の適正な補給を目的に、健康牛(泌乳中期および乾乳期)と新生子牛のビタミンB1、B2、B6、B12の血中濃度を測定した。泌乳中期群(n=5)ではB1、B2、B6、B12の血中濃度は51.2±1.2ng/ml、92.1±3.9ng/ml、37.8±1.7ng/ml、220.2±16.3pg/ml、乾乳期群(n=4)では39.5±3.3ng/ml、75.2±4.6ng/ml、42.6±2.2ng/ml、406.8±48.1pg/mlで、泌乳中期群と比較してB1、B2で低値、B12で高値(p<0.05)を示した。新生子牛群(n=9)では、出生直後のビタミンB1、B2、B6、B12の血中濃度は47.0±3.6ng/ml、169.9±6.7ng/ml、4.1±0.2ng/ml、357.4±44.2pg/mlで、生後20日目では30.0±1.4ng/ml、130.9±6.4ng/ml、16.5±0.6ng/ml、230.4±13.9pg/mlを示し、ビタミンB6を除くビタミンB群の血中濃度は生後漸減した。
 以上の成績から飼養状況および個体の状況により血中濃度が異なるため、適正な補給に当たっては対象牛のビタミンB群の血中濃度を把握し、今回の測定値を参考として適量の薬用量の決定が必要であると考えられた。

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© 2003 動物臨床医学会
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