糖尿病
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症例報告
ソフトドリンクケトアシドーシスに高トリグリセライド血症と重症急性膵炎を合併した1例
山本 直岡田 洋右新生 忠司西田 啓子田中 良哉
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2011 年 54 巻 1 号 p. 34-39

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抄録

症例は17歳男性.2009年高校中退を契機に過食に拍車がかかり,3ヶ月間で体重が20kg増加した(118kg).4月下旬より口渇・多飲・多尿・食欲不振が出現し,1日6 l程度の清涼飲料水を摂取していた.5月中旬から嘔吐が出現したため,6月1日に近医受診.急激な体重減少(-16kg/月),随時血糖415mg/dl,中性脂肪7634mg/dlを認め近医入院.6月3日に過呼吸を呈し,動脈血pH 7.071,尿ケトン体陽性より,糖尿病性ケトアシドーシスの診断で当科へ転院.重症急性膵炎を併発しており,大量輸液,インスリン持続静注,蛋白分解酵素阻害薬の大量持続投与などで対処し,第5病日に血中膵酵素は正常化した.生活習慣の乱れ,体重増加を基盤としたソフトドリンクケトアシドーシスが誘因となり,著明な高トリグリセリド血症と重症急性膵炎をきたした稀な一例を経験したので報告する.

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© 2011 一般社団法人 日本糖尿病学会
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