糖尿病
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重篤な亜鉛欠乏症を呈した膵性糖尿病の1症例
浅野 道子奥田 諭吉平野 国美山岡 孝鶴嶋 陽子曽根 博仁小川 雅士伊坂 正明水谷 正一朝倉 由加利鈴木 誠司坂内 千恵子川上 康小田原 雅人松島 照彦川井 紘一山口 高史山下 亀次郎
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1995 年 38 巻 7 号 p. 517-522

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抄録

症例は50歳男性. 12年前, 急性膵炎と糖尿病を発症した. 大量の飲酒を続け, 血糖コントロールは不良であった.1年前より, 水様性の下痢, 口内炎, 味覚障害, 頭髪や眉毛の減少, 手指と足趾末端に亀裂, 痂皮, 落屑を伴う紅斑が出現. 血中亜鉛は39μg/ml (50-140) と低値を示し, 硫酸亜鉛の経口投与にて, 症状は著明に改善した. アルギニン負荷試験にてインスリンとグルカゴンは共に低反応であり, 膵性糖尿病と診断した. 亜鉛投与後, 全身状態の改善に伴い耐糖能も改善し, アルギニン負荷試験でのインスリン分泌も亜鉛投与前と比較して若干の改善を認めた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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