仲岡しゅんさんが語るトランスヘイトの現実 問い直すべきものは何か

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聞き手・山口宏子
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 「LGBT理解増進法」が6月に施行され、最高裁では「性同一性障害特例法」の規定が憲法違反かどうか審理が進んでいます。その一方で、トランスジェンダーの人たちに対するネット上などの攻撃は激化しています。

 こうした動きをどう捉えているのか、トランス当事者である弁護士の仲岡しゅんさんに聞きました。

 ――「LGBT理解増進法」成立の過程をどう見てこられましたか。

 「法案が議論される過程で、トランスに対するヘイトが顕在化し、差別がむしろ深まったと感じています。『自分は女だと自称する男が、女子トイレや女湯に入れるようになる』といった荒唐無稽な言説があふれました」

 「トランスへの恐怖をあおり、『女湯に入れなければ差別になる』といった誤った情報がネットでばらまかれ、それに何万もの〈いいね〉がつく。私はその誤りを正そうと発信をしていますが、様々な攻撃の標的にされています。殺害予告を受け、デマによる名誉毀損(きそん)、商品の送りつけ、弁護士会への根拠なき苦情など、数々の嫌がらせを受けています」

恐怖をあおる「トランスヘイト」の危険

 「トランスヘイトの人たちは…

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