二松学舎大学附属高校が6連覇を達成!声援ナシのバトル東日本大会を決めた「ダンスのエネルギー」

2020.12.28 HIGH SCHOOL

ダンススタジアム冬のバトル大会(東日本大会)

2020年12月28日(月)目黒パーシモンホール

 

ダンス部大会の年末の風物詩という感のある「ダンススタジアム・バトル大会」が今年も東日本・西日本で開催された。
>>昨年のレポートドキュメント動画

コロナの影響で、エンタメ系のイベントが軒並み中止となっている時期なので、ある意味「決行された」と言っても良いだろう。
夏のダンスタジアムもそうだったが、今回の結構には主催者側の覚悟を感じるし、学生のためにリスクをとる姿勢には拍手を送りたい。
日々ダンスに打ち込むバトル好きな学生は絶対に喜んだはずだ。事実、エントリーは例年になく多かったようだ。

当然、コロナ感染対策は徹底していた。
チケットの一般発売はなく、応援者も限定。出場者は順次入場となり、客席や更衣室も密を避ける工夫が。バトル以外はマスク着用も徹底。
何よりも、バトルにはつきものの「声援」が禁止となり、それが今年の大会の異様なムードを作り、少なからず勝敗にも影響していたと思うのだ。

声援はチカラになる。

不安を抱えて踊り出すプレイヤーにとって、自信にも勇気にもノリにもエネルギーにもつながる。
しかし声援のないバトル空間においては、プレイヤーはそれらを自ら生み出さなくてはいけない。

これまでの練習を積み重ねてきた自信。
あと一歩の思い切りを作る勇気。
それらが循環して生まれるノリ。

そして、観客やジャッジに感じさせる踊り手のエネルギーは勝敗に大きく左右する。
いわゆる「会場をLOCKする」チカラだ。

そのエネルギーを最後まで出し続けたチームが、今大会の勝者になったように思う。
6連覇を果たした二松学舎大学附属高校の「チーム二松」だ。
彼らが際立っていたのは、どのバトルでも自らエネルギーを最大限に発し続け、バトル中の高いテンションをキープし続けたことだ。
具体的に言うと、どのチームも練りに練ったルーティンは素晴らしかった。でも「そのあと」が実は重要だったりするのだ。せっかく完成度の高いルーティンを合わせてきたのに、続くソロが流れを引き継げず、エアポケットのような時間帯を作ってしまうチームがいくつか見られた。
声援がないせいか、自信のなさが見えてしまったり、下を向いてなぞるような動きでライブ感がなかったり、まるで「早く終わらないかな」というような弱気が見えてしまうソロは、ジャッジにとっての格好の減点ポイントになってしまう。プレイヤーや監督は、こういう「LOCKが緩む時間帯」に練習からもっと注意を払うべきではないだろうか。

相手に勝つ前にまず自分に勝つこと。自分の可能性とバトルすること。
声援がなくても、ここまでの過程と自分たちのチカラを信じること。

出場チームのレベルは総じて高かった。特に仙台城南との決勝戦は甲乙付け難い対戦だった。
でも「チーム二松」は、たとえダンスに負けた時はあっても「バトル」には勝ち続けた。

大会6連覇は本当に偉業だと思います。おめでとうございます。
その伝統が、彼らの見えない最大のチカラになっているのだと思います。

来年、その牙城を打ち倒すチームの登場と、高校生たちのさらなるフルアウトに期待します!

石原ヒサヨシ(ダンスク!)

 

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