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潜水艦に女性自衛官起用へ

2018年09月02日 06時15分00秒 | 海上自衛隊
先日、女性イーグルドライバー誕生の記事の中で、現在も女性登用に制限があるのは、

陸上自衛隊:特殊武器防護隊で放射線を扱う人員、坑道中隊
海上自衛隊:潜水艦乗員

と、書いたばかりですが、潜水艦乗員も制限が撤廃されることになりました。




海自潜水艦に女性乗組員、性別による制限全廃へ
2018年08月31日読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180830-OYT1T50127.html

 防衛省は、男性に限ってきた海上自衛隊の潜水艦の乗組員について、女性自衛官を登用する方針を固めた。任務の増加や少子化に伴う人手不足を補うのが狙いで、2023年頃の登用を目指す。これにより、法的な制約から配置を制限している陸自の一部の職域を除き、女性自衛官の配置制限が全廃されることになる。
 自衛隊では1993年以降、段階的に女性の配置制限を撤廃してきた。昨年4月には、女性自衛官の比率を2016年末の約6%から倍増させる「女性自衛官活躍推進イニシアチブ」を策定。陸自の普通科中隊など、戦闘の最前線の部隊で制限を撤廃したが、潜水艦は制限が残っていた。
 隠密行動が鉄則の潜水艦は、乗組員約70人。1か月以上、海中で活動することも多く、密閉空間で長期の集団生活を送る。無駄を省いた艦内は、「脱衣所がなく、シャワーを浴びる際は通路で脱ぎ着するような構造」(海自幹部)で、女性用の部屋やトイレ、風呂はない。同省は「性別に配慮した職場環境が確保できない」としてきた。


海上自衛隊の最新型潜水艦「そうりゅう」の寝室。3段ベッドで、無駄を省いた構造になっている

 だが、中国が海洋進出を強める中、東シナ海での警戒任務が増加しているうえ、昨年末からは北朝鮮による洋上密輸の監視も加わり、海自の人手不足は深刻だ。
 各艦艇ではすでに定員割れが常態化しているが、政府は現在18隻の潜水艦を22隻に増やす方針で、ある防衛省幹部は「女性自衛官の比率が増える中、もはや男性だけで任務をこなせる時代ではない」と語る。



潜水艦って、すごく狭いイメージがありますが、シャワーの際の脱衣所が無いというのは、私の想像以上でした。
このような環境で、どうやって男女が共同で任務に就くのでしょうか?
女性がシャワー中はその前の廊下通行禁止とか?

有川浩先生の小説「クジラの彼」の中には、
「潜水艦の航海スケジュールは丸ごと防衛機密で、出航日も期間も寄港予定も部外秘だ。家族でさえも航海予定は知らされないことが珍しくない」
という記述があります。

女性自衛官が、独身のうちはまだ良いでしょうが、妻、母という立場になったら大変そうですよね。

↓は、女性初の護衛艦艦長となった大谷三穂2佐(現在は1佐に昇進、海幕厚生課厚生班長をされています)が、2年前に護衛艦やまぎりの艦長に就任した直後の記事です。

まな娘に「ママは艦長になりたいの…」 海自護衛艦の女性艦長かく闘えり!
2016.6.19 SankeiBiz

 海上自衛隊で初めて護衛艦の女性艦長が誕生したと聞き、神奈川県横須賀市に係留中の《やまぎり》の艦長室を訪れ、大谷三穂2等海佐(45)に取材した。女性将兵の増加は世界的傾向だが、増加に伴い「母性保護」問題が浮上する点もまた、世界的傾向だ。しっかりとしたメディカルケアや、結婚・出産後も仕事を続けられる体制の拡充が不可欠な状況も、自衛官以外の働く女性が直面する課題と基本的に変わりはない。
 ただ、戦闘艦で長期の海上勤務に就く大谷さんはじめ武器を取り扱う女性自衛官は、他の働く女性はもとより、男性社会人とも精神・肉体上の負担・苦痛を異にする。海外派遣や危険な任務が増え、家族の理解と支えは重要度を増したが、限界や個人差も立ちはだかる。
 練習艦のナンバー2=副長に初めて就き、半年間の遠洋練習航海に行くと告げた際も、7歳だったまな娘は「行っちゃヤダ」と泣いた。ところが、「ママは艦長になりたいの。副長にならないと、艦長にはなれないの」と言って聴かせると、ややあって、しゃくり上げながらも母を見上げ、声を絞り出した。
 「ママが艦長になりたいなら、行って…」
 大谷さんは「母の夢を子がかなえてくれた」と振り返った。

~途中 略~

 艦艇は8隻目、海上勤務は通算11年近い。「潮け」タップリの「船乗り」で「海上・艦内生活にはまったく困らない」。
 しかし、大谷さんは海自幹部以外に母と妻、二つの顔が有る。こちらは「海上・艦内生活」のようにはいかなかった。冒頭で記したが、母と娘の関係は一般家庭の想像をはるかに超える。
 30歳で結婚し、32歳で(一人)娘を出産する。
 「どうしようかと思った。けれども、艦長への夢を諦められなかった」
 艦長を目指し、訓練・座学に明け暮れる毎日。娘を大阪府内の実家に預け、年に3~4回、1~2日帰省して顔を見た。おばあちゃん子、おじいちゃん子の悪い方の面が出るのではと心配する大谷さんに、母親は「肝心なときには、やっぱりママ、ママなのよ」となぐさめたが「悲しかった」。
 「こんなに背が高かった? 毎日一緒にいられぬ境遇とは、こういうことなの…。いろいろな思いが駆け巡り、本当に私たち親子はこれでいいのかと自問を繰り返した」
 涙の再会と別れの繰り返し。悩むのはまな娘のこと。でも、癒やされるのもまな娘だった。

「初めて練習艦の艦長に就いて真っ先に『おめでとう』と祝福してくれたのは、9歳の娘でした」

~途中 略~

 わずかではあるが、大谷さんにとり、珠玉の時間も流れた。たった1回、一緒に過ごした小学5~6年生の2年間。電子情報支援隊副長で陸(おか)勤務だったおかげで、官舎で暮らせた。もっとも、「娘に『学校に行くときは、コレとコレを持っていくの』と教えられる日々」。大谷さんといえば「クラス、何組だったっけ、と聞く始末だった」。
 中学1年生になった今年、長野県内の中学校で寮生活を始め、週末に会うこともある。「国に役立つ仕事を目指してネ」と、大谷さんが求められるくらい、まな娘は成長した。
 大谷さんが、横須賀基地内に海自初の託児所開設に奔走した「戦歴」を刻んだのは、苦しみ抜いた「戦果」といえよう。
 海自幹部と母に加え、妻でもある。大谷さんは出産7年後に、防大同期のご主人と離婚した。
 「海自幹部の夫も船乗り。互いに航海長だったりすると、片や入港、片や出港と、すれ違いの毎日でした。自衛官夫婦を同じ地方に転勤させる配慮を効かせる、今とは違う環境だった」

~途中 略~
 
 実際、大谷艦長が預かる《やまぎり》にも女性自衛官が10人乗艦する。女性居住区に暮らし、入り口にはインターホンを備える。24時間勤務の交代時に、部屋に入って起こすことができない男性乗組員に気配りした設備だ。 
 ところで、再婚相手も一般大学出身の海自幹部で、しかも「船乗り」。幸い? 前夫も夫も1佐(大佐)で、ときに出現する自衛官夫婦の階級逆転現象は起きていない。ともあれ、大谷さんでさえ、国家への愛と、家族への愛を、何とか両立させたいと、今日も悪戦苦闘している。
 取材を通し、英国首相だったマーガレット・サッチャー(1925~2013年)を尊敬するワケが納得できた。安全保障と真剣に向き合い、家庭とも両立した「鉄の女」を理想としているのである。

全文はこちら→https://www.sankeibiz.jp/gallery/news/160619/gll1606190715001-n1.htm


女性自衛官が結婚・出産・育児と、キャリアアップを両立させるのはかなり大変そうですね。

潜水艦に女性自衛官が登用されるのは早くても5年後で、どのように男女共同で任務を遂行するのか全く想像できませんが、推移を見守っていきたいと思います。


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4 コメント

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人手不足 (海自OBの一人)
2018-09-02 21:08:44
海自の人出不足は本当に大変です。
少子化や集団生活を嫌う傾向があり、自衛隊に入ろうと希望する若者でも海自はイヤと言われます。
潜水艦適正がある海自隊員でも潜水艦勤務は連絡がつかない長期行動(監視等)があり、嫌われます。
文面にもあるように6%を切っている女性海自隊員も10%以上にとの事であり、増加となるでしょう。
ただ新入女性隊員教育が横須賀教育隊のみであり、佐世保教育隊(初級海曹(昇任)教育は実施しているようです)等に追加が必要でしょう。施設の設置も。
水上艦では昭和60年代から補助艦艇、平成10年代から潜水艦を除く警備艦へ女性隊員を乗り組ませております。
水上艦は部屋を別として、ベット、レストルーム、便所、シャワー室、洗濯物干し場を設置出来ましたが、潜水艦は狭く、多くの機器もあり、現状のままで女性隊員の別部屋設置は無理があります。
艦艇は空間を大きくすると、価格が高騰し、馬力アップや、電力アップを生じます。
潜水艦は特に耐圧力のため、円形となっており、座席の下も物入としたり、居住スペースも真っ直ぐ立てない場所もあります。風呂もなく、シャワーのみであり、3日に1回が原則です。洗濯は不可能です。ベットも水上艦は2段が原則ですが、潜水艦は幹部も海曹士も3段です。
こんな現状で如何にして女性隊員のプライバシーを保ち、どこまで共用可能か、スペースを取れるか難問です。
ドイツ海軍が女性も乗艦しており、アメリカ海軍も幹部は乗艦しています。これらを参考に後5年で乗艦可能にしなければなりません。
設備設置が出来ても男性隊員から不平が出ないよう特別扱いにならないよう考慮して実施しなければなりませんが日本人の考えや習慣もあり、なかなか難しい事と思います。
人出不足は深刻であり、女性隊員の増加と潜水艦乗艦参画を得られるよう解決して勤務し易い環境と人手不足の解消となるよう祈っています。
男性隊員の入隊も増加しますように。
海自OBの一人さま (自衛隊好きの主婦)
2018-09-03 10:09:39
いつもコメントありがとうございます。
私はネットから仕入れたにわか知識ばかりなので、本当に勉強になります。
海自は手当などでお給料は陸・空よりも良さそうなイメージがありますが、そこを秤にかけても嫌がられてしまうのですね。
また、女性隊員を増やすと言っても、教育隊のキャパが少なければ、一朝一夕に女性隊員を増やすというのは難しそうですし、潜水艦の件も艦内の狭さを考えると、本当に実現可能なのか、心配になります。
現場を知らない事務方の人が、男女共同参画のための机上の空論を、現場に押し付けているのでなければ良いなと思います。
でも、これからの少子高齢化で、自衛隊の人手不足はますます深刻になっていくでしょうし、ひと昔前と違いキャリア志向の女性も増えていますから、女性隊員を増やすのは良いことだと思います。
キャパが少ないがために、入隊希望の女性が不採用になってしまったら元も子もありませんから、一日も早く教育隊の新設などがなされたら良いなと思いますが、限りある防衛予算の中でとなると、防衛費を増やすところから始めなければという、何だか壮大な話になってしまいますね。
でも、突き詰めていったらそうなってしまうのでしょうか。
国防のために、安定した人員の確保がなされること、そのために十分な予算が配分されることを、願ってやみません。
Unknown (Unknown)
2019-04-12 21:05:09
女性のみで編成できるなら可能でしょうが、そうでなければ意味が無い話ですね。
そもそも女性だけで汚物処理や下水処理の仕事を志願してやってる事を見たことがありません・・・
Unknown (Unknown)
2019-04-12 21:10:50
超大型の各搭載型の原子力潜水艦なら女性乗員も可能かもしれませんが小型の潜水艦には同棲とか現場を知らなすぎでしょう。
少し前まで潜水艦ってのは温度30℃湿度100%で汚物とオイルの混ざった臭いで満ち、カビ臭く狭い密室で集団生活を強いられる不衛生でストレスが激しい環境でした。
洋上での船も昔はそんなもんでした、なので異性混在なんてアホの言う話でしかなかった訳です。最近は少し環境向上されてますが世の中のブラック職場なんて比べ物にならない所だと思わないとダメですよ。特に有事の際には定時ですから帰りますとかも無理なので、性別を理由に待遇しろとか四の五の言う人は特に適正が無いと思います。

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