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「ガンダムNTの音楽を語ろう」澤野弘之も登場した公開記念トークショー

1979年放送開始の「機動戦士ガンダム」を原点とし、広がり続けるガンダムシリーズ。その宇宙世紀シリーズ最新作にして、「機動戦士ガンダムUC」の“その先”を描く、「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」。全国90劇場でのロードショーがスタートしているが、公開を記念し、12月4日に「ガンダムNTの音楽を語ろう」というテーマで、音楽を担当した澤野弘之氏、脚本の福井晴敏氏、小形尚弘プロデューサーらが登壇したスペシャルスタッフトークショーが開催。そのレポートが到着した。

左から脚本の福井晴敏氏、音楽を担当した澤野弘之氏、小形尚弘プロデューサー
  • 作品名:機動戦士ガンダムNT
  • 公開日:2018年11月30日
  • 全国90劇場でロードショー
機動戦士ガンダム NT
(C)創通・サンライズ

トークショーは4日に、新宿ピカデリーで開催され、音楽制作秘話満載となった。公開から週末はずっと舞台挨拶をしてきた福井氏は、「ようやく舞台衣装を用意してくれました。ただ俺Lサイズだって言ったのにMサイズを渡されました」と、自身の衣装事情について説明。

今週末は奈良に舞台挨拶へ行くことになっている小形プロデューサーは、「関西を回って、ナラティブだから最後に奈良に行くんですが、まだチケットが余っているそうなんです。ぜひ皆さん帰ったら、どうやら奈良が空いているらしいよ、と呟いていただけると助かります」と、今後のイベントについてもアピールした。

音楽を担当した澤野弘之氏

音楽を澤野氏に依頼した経緯については、「『UC』から1年後の話で、このスタッフで、澤野さんに依頼しなかったら不自然ですよね。当然、“1年後の宇宙世紀のお話をやります”ということでオファーをしていたんです」と小形氏。

澤野氏は「3年くらい前にざっくりとしたお話を聞いていて、きちんとしたオファーについては、去年いただいて、劇伴音楽を作っていたんです。その時はまだ劇場版とは知らず、20分くらいの短編が何本かだと思って作っていました。そしたら、今年の4月にサンライズさんの新作発表会に『NT』が出るというので見ていたら、“劇場版”と書いてあって。『劇場版だ!!』って(笑)」と、劇場版作品とは知らずにオファーを受けていたという。

だが、そんな驚きも、「知らないうちに映画に携われてラッキーと思いました。劇場版と知っていたら気負っちゃっていたかもしれないので、逆によかったのかもしれません。(笑)」と明るく語った。

(C)創通・サンライズ
(C)創通・サンライズ
(C)創通・サンライズ

『UC』の続編をやると聞いた時の印象について、澤野氏は「『UC』は長かったので終わった時に『やっと終わるよ』と冗談半分に言ってはいましたが、あれだけ長く付き合ってきた作品が終わってしまうのはさみしい気持ちがあったので、また『NT』という形で携わることができて嬉しかったです。」と話す。

すると福井氏は「今後の宇宙世紀は俺にまかせろと?」とツッコむと、会場は大爆笑。「さすがにファンの方に申し訳ないので、オファーがいただける限りはがんばります……」と謙虚な姿勢を貫いた。

今作の誕生秘話について聞かれると、小形氏は「どんな風にやっていくか、福井さんとお話させていただく中で、お台場に実物大ユニコーンガンダムの立像が立つことが決まった時、何か『UC』にまつわることを作りましょう、という話になりました。そうすると小説『不死鳥狩り』ですかね? というところから、『NT』が生まれてきました。」と明かした。

すると福井氏も「皆さんも先の話を観たいはずであろう、というところで、続編という形で『不死鳥狩り』を織り直しました」と、続編という形に至るまでの試行錯誤を明かした。

(C)創通・サンライズ

澤野氏に依頼することを大前提としてスタートした今作。手探りで作品づくりが進んでいく中のオファーだったため、「澤野さんにはすごく断片的な情報だけお伝えしていました。ただ、吉沢俊一監督の意向もあり、前作とは違う作風で行きたい、と考えていて。大きく分けると3つの歌唱曲を書いていただいているのですが、まず“Vigilante”は最初からメインMSの登場シーンで使いたいというのは伝えた気がします」と、小形氏。

それを受け澤野氏は、「エレクトロニカをフィーチャーしたものにしたい、ということだったので、そういった楽曲のサンプルを監督にお渡ししたり。そうしていく中で、僕自身、歌でよりアクセントをつけていきたいと思っていたので、すこし歌を入れていったりしました。」と、曲作りの裏話を明かした。

(C)創通・サンライズ
(C)創通・サンライズ

曲を発注するときのエピソードについて、小形氏は「僕的にはポイントがいくつかあって、いままで劇中でがっつり歌を流す、ということをしたことがなく、どこかで澤野さんの歌入りの曲を流したいな、というのがあったんです。前半のシナリオがあがったときに、ナラティブガンダムが登場するときにそれをいれたい、という発注でしたね」と、“Vigilante”を発注したときのエピソードを語った。

お台場のユニコーンガンダム立像のためにつくられた曲“Cage”の NTv(ナラティブバージョン)は、『NT』用にアレンジし、劇中の『ある重要なシーン』で登場している。澤野氏は、「10月16日の公開目前イベントの時には、『まだ使うかどうかわからない』と小形さんがおっしゃっていたんで、『せっかく“NTv”とつけたのに、使われなかったらどうしよう……』と思って。(笑)」と、本編を観て安堵したことを語った。小形氏は「福井さんにも吉沢監督にも、『“Cage”という曲は、まさにテーマに沿った曲なので、ここに使ってください!』というようなオーダーをしました」と明かすと、福井氏も「シナリオを書く前から、『こういう感じで使いたい』と、曲が先に送られてきました」と、作品の中で重要な役割を果たしていることを話した。

主題歌の“narrative”は澤野氏が歌詞を担当。「作品の内容に寄り添いつつ、子供時代を思い浮かべ前向きに取り入れながら、真面目に書いてみました」そうで、ボーカルを担当したLiSAについても、「サビへのアプローチもすごく考えてくれて、LiSAさんの声がより『NT』の世界観をつくりあげていただいたな、と思います。」と太鼓判。

さらに澤野氏が「『UC』で作った音楽を今回新たにフィーチャーし直す、というのも再び『UC』の音楽に向き合えたのでよかった」と話すと、小形氏も「今回は『UC』と差別化したいと思っていて、すごく新しいなぁと思いました」と出来上がりにも大満足の様子。

福井氏も、「今回はガンダムらしからぬ、メロドラマなんですよね。それが音楽のドライな感じと良い化学反応を起こしてしていたと思います」と絶賛。「やっぱり劇場の環境で聞くのがいいですよね。音を浴びるような体験ができると思います。」と、小形氏は劇場鑑賞の良さをアピール。裏話満載のトークショーは終了した。

『機動戦士ガンダムNT』冒頭23分