NHK『爆笑オンエアバトル』が始まってからこの春で10年になる。10年前、東京ではどこの民放も「視聴率が取れない」と言ってお正月くらいしかネタ番組がなかった時代。この番組がなければ『M-1グランプリ』なんて始まってなかったやろうし、ということは『エンタの神様』や『爆笑レッドカーペット』などのネタ番組も生まれてなかったやろうし、お笑いブームも今のこの形では来てなかったはず。

当時、俺らはあんまり陽のあたる場所で漫才が出来てへんかったから、全国ネットで漫才ができることはホンマ有難かった。しかし「ボキャブラメンバーの世代が中心になる」と言われて始まったこの番組は、いざ始まると俺ら世代のボキャブラメンバーはほとんどおらず、俺らよりも下の世代の若手芸人がほとんど。大阪ではそこそこTVで頑張り出してた頃やったんで、1番最初の出演の時は、“ここで負けたら、大阪帰って笑われる”とかなりリスクを感じながら行ったのを覚えてる。 そこからは『吉本2丁目ブーム』の陰でコツコツやりためてきてた漫才でなんとか連勝を重ね、番組史上初のパーフェクト545キロバトル獲得もありながら、17連勝無敗のまま2002年末に卒業することができた。

この番組がなければ今のますだおかだはなかったと思う。本当に感謝してるし愛着も今なおある。その後抜かされた連勝記録を今からでも抜きに行きたいくらいに…。

そんな『爆笑オンエアバトル』も11年目になるこの春から月1回の放送になるらしい。なんかそれって終了するより寂しい。俺らにとって大切やったあの場所がなんか…。

この番組を立ち上げた当時のディレクターさんは、その後、地方局への転勤を経て最近東京に帰ってきはった。しかし『爆笑オンエアバトル』を再び担当することなく、俺を食事に誘ってくれては「新しいネタ番組が作りたい」と熱く語るも、企画書がなかなか通らんかった様子。でも遂に企画書が通ったらしい。それは、たった1組の芸人がやる30分のネタ番組『笑神降臨』。

今週、ますだおかだ分の収録があった。色んな漫才を4本やらせて頂いた。舞台裏の俺らを撮影してくれてたカメラさんは『爆笑オンエアバトル』でも舞台裏の撮影を担当されてるカメラさん。昔「ますだおかだの敗者コメントを撮るのが夢」なんてことを言ってくれたこともあるカメラさん。今日本番終了後にコメント撮影を求められた時に、俺が笑いながら「敗者コメントですか?」と聞くと、「いや、今日は勝者コメントです」と言ってくれたカメラさんにちょっとジ~ン。


ますだおかだ増田ブログ-NHK『笑神降臨』

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