ぶち壊す!!!!!
「チェリーの木の下で-DT-MAX15’-」
『ゼツボー荘』より愛を込めて ぶち壊す!!!!!
全日程終了しました。
観に来て下さった皆様、応援してくださった全ての皆様!本当にありがとうございました。
チェリーが面白すぎて、そして、作品が真逆すぎて、こっちも戸惑いました。。。笑
そして、劇場をうろうろしてると、良く怖いと言われますが、こういう顔なんです。
すみませんね、ほんと・・・・
まずは、読んだ方もいると思いますが、当日パンフレットに載せた、僕の文章と北川さんの文章を観てください。
北川先生のコメント
少々乱暴な言い方ですが、この作品は、今井くんと私の家がたまたま近所だった事から生まれた物語です。まだデビューしたばかりで遊ぶ時間が殆どなかった私にとって、唯一気軽に誘えるのが、近所に住む今井くんでした。立場は違えど、互いに「エネルギーは有り余っているのに、発散する場所が足りない」という状況に関しては同じ。意気投合した私たちは、溢れんばかりの「夢と希望」、思うようには行かない現実への「憤り」を、夜な夜な近所の居酒屋に持ち寄って、酒を飲んでは語り合っていました。
そんな日々の中、「一緒に劇を作ろう!」と立ち上がったのが、この物語です。
初演の興奮は、今でも忘れられません。当時、「面白集団の面白男子」たちだと思っていた彼らが、「役者」として、「芝居」で、劇場を震わせた、あの瞬間。
みなさまご存知の通り、その後劇団プレステージは「Have a good time?」を経て、千本桜を飛び出し、何か八月には大阪まで飛んでくらしいですね。もうすっかり人気劇団やん。あの頃の今井くんに電話して、教えてあげたいもんです。
ちなみに、「ゼツボー荘」が生まれたあの居酒屋は、今はもうありません。個人的には、「二度と戻ってくんな!」って事だと解釈しています。
本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。この作品が、あなたのゼツボーをぶち壊し、背中をドカンと押す事を、あからさまに願っております。
今井コメント
『ゼツボー荘』より愛を込めて ぶち壊す!!!!!」にご来場頂きまして、誠にありがとうございます。僕自身、3本目の演出作品になります。それが、『ゼツボー荘』になるとは、3年前の自分は全く考えてなかったと思います。この作品は、劇団プレステージにとって、ターニングポイントとなった作品です。正直、これを再演するにあたり相当悩みました。なぜなら、この作品に対する思い入れが尋常じゃないから。北川さんともやらない方がいいのではないか?という話もしました。それは、僕達の中で決して色褪せない物が、『ゼツボー荘』にあるから。そして、北川さんの想いがたくさん詰まってる作品で、僕がそれに応えることができるのか?プレッシャーは想像を絶しました。
でも、考えました。この作品は、若いうちにしかできない。今を逃すと一生できなくなる。だから、体当たりで挑んでみようと!
「チェリーの木の下で-DT-MAX15’-」とは、まるで正反対の作品ですが、キャストを一新し、このメンバーにしかできない『ゼツボー荘』を僕なりに解釈しました。過去の自分達に立ち向かい、脱却してやりたいと思っています。
今回、石原壮馬を太一という役に抜擢しました。「WORLD'S ENDのGIRLFRIEND」を見て思ったことは、新人がメインを張る新しさ。それにより、劇団の持つカラーが変化することに気付きました。城築だけに…(笑)。 過去を脱却するには、新しい何かを持ち込まなくてはいけない。そのために、僕は、壮馬のもつ『若い力』に賭けてみようと思いました。その気持ちを、『ゼツボー荘』に出演するメンバーもわかってくれました。みんなで心中する気持ちで作った、「『ゼツボー荘』より愛を込めて ぶち壊す!!!!!」を楽しんで頂ければ幸いです。
劇団プレステージのパンドラの箱、解禁します!
というようにですね、いろんな、縁が巡り巡って、北川さんと出会い、ゼツボー荘はスタートしました。
劇団としてのターニングポイントになった作品で、思い入れが強い人もたくさんいたでしょう。でも、そのプレッシャーを一番に感じていたのは、僕を含め、再演に臨んだメンバーです。
ブラックパールをやって思ったことですが、近い過去を描くということには、危険がたくさん孕んでいます。なにせ、記憶を辿ると蘇ってくるから。
自分達でさえ、記憶が蘇ってくる。
アンケートに、ゼツボー荘の再演を望む声が多く寄せられていたのも知っています。
でも、やるにあたり、めちゃめちゃ悩みました。
やると決めた以上は、前回を越えなければならない。
だから、タイトルに北川さんは、
「ぶち壊す!!!!!」
を追加してくれました。
演出する際、すごく迷ったのは、舞台装置です。
これは、初演とほぼ同じにしました。
映像も初演と同じものをキャストを変えて使用しました。
それは、初演を観てない人にも、あの空間を味わって欲しい。
なにより、初演の色を確実に残しつつ、新しい物を提示することが、一番重要だ。という僕なりの判断です。
ただ、演出をするにあたり、絶対にこれだけはやらない!と決めたことがあります。
それは、初演の記録用DVDを見返さないこと。
これをしてしまうと、ただの焼き直しになると思ったからです。
新しいキャストでの、再演。
ここで、前回の配役と今回の配役を照らし合わせてみようと思います。
太一 結城洋平 → 石原壮馬
洋介 猪塚健太 → 猪塚健太
アリサ 大村学 → 春日由輝
ヒロト 高橋秀行 → 平埜生成
美幸 今井隆文 → 長尾卓也
ワン(チン)加藤潤一 → 坂田直貴
津田 向野章太郎 → 髙頭祐樹
先生 風間由次郎 → 山下銀次
大家 髙頭祐樹 → 山下銀次
医者 長尾卓也 → 山下銀次
幸福 幸福→幸福
というキャスト変更で、前回のキャストから一緒なのは、健太と幸福さんです。
人が変わると雰囲気も変わる。
脚本は、ほぼ変えていません。多少は変わってますが、本質的な所は変わってない。
でも、違う物がどんどん出来上がっていく様は、演出をしていて、とても嬉しいことでした。
稽古を進めて行き、一度、出来上がってきたゼツボー荘は、小池の降板により、再出発することになりました。
正直、めちゃくちゃ辛かったです。小池も辛かったろうと思います。
小池は、ヒロトの予定でした。
再演は、きなりに洋介をやってもらいたいと思っていましたが、
降板を受け、前作も同じ役を演じた、健太を洋介にしました。
きなりは、一度、作り上げていた、洋介という役を解体し、ヒロトを演じてくれました。
時間の無い中、本当に良くやってくれました。
健太は前作より更に力強く、しなやかな洋介を演じてくれました。
稽古を進めて行く中で、僕は、1つの結論をだしました。
それは、稽古中に新人の壮馬を演出していた時です。
ふと、
あ~これは、新人の石原壮馬を全力で先輩が支える劇にすれば成立する。
と、、、、
ゼツボー荘の住民は、太一に影響を与えようと奮闘する。
この二つの構図は、実は全く一緒だということに気付いてからは、ゴールが見えた気がしました。
正直、稽古中の壮馬を観ていたら、とてもじゃないけど、舞台上にあげられないと思い、必死に演出しました。壮馬と何度も、台本を読み、一文ずつ、全てのセリフの意味を徹底的に叩き込みました。
最終稽古を終えても、不安でした。
そして、稽古後、また、二人で、セリフを確認しました。
本番当日の、ゲネプロで、壮馬をみました。
稽古と全然違う。
と、、、、
初日を迎えた、みんな。
全力で生きる、キャスト達。
そして、壮馬が完全に太一になっていた!
若手が花開く瞬間を見ました。
演出家として、これほどの喜びはないな!
と、本当にうれしかったのを覚えています。
そこから、全員で修正をし、無事に千秋楽を迎え、客観的にこの劇を観て、
劇団プレステージに、「石原壮馬」という希望の光が灯ったな。
と個人的に思いました。
きなりが、挨拶で、プレッシャーがすごかった。と言っていた。
みんな、初演の重圧と戦いながら、演じていたのだな。
と心底思い、運命共同できてよかった。
みんなの演出を出来て良かったなとおもいました。
今回は、全14公演、すべて観ることができました。
最後の最後まで、芝居、音、照明には、口を出しました。
繊細な作品だから。
自分の演出は、3本目。
んざんび君は、出演もしていたので、客席で観ることができず、トーキョー・タイム・パラドクスは、仕事で途中までしか観れませんでした。
今回、初めて、全て観たことで、役者が成長する瞬間をいっぱい観ることができて、それは自分にとって、すごく大きな物になりました。
自分もしっかりしなきゃと背中を押された感覚でした。
この再演は、まあ賛否両論だとおもいますが、個人的には、みんなの個性が炸裂していたにも関わらず、1つにまとまっていたなと。そして、ぶち壊せたのではないか?
と思っています。
それは、観に来た人が決めることですが、個人的には、また、新しい扉が開いた気がしました。初演の時は、プロデューサーDから、お前らには、まだ早い!と言われましたし。
みんながそれぞれの壁にぶち当たり、精一杯今を生き、目の前の壁を徐々にぶち壊す作業をしてくれました。
板の上で戦った役者全員に、拍手!
さあ、
どうせ死ぬし
の歌詞です!
どうせ死ぬし!どうせ死ぬし!
どうせこの世は仮住まい
どうせ死ぬし!どうせ死ぬし!
生まれたところで人は死ぬ
あの娘もあいつも元気かな
僕は元気でそれなりに
下手くそな笑顔で今日を生きてる
水溜まり蹴散らして 空を仰いで
いびつな顔で笑うんだ
どうせ死ぬし!どうせ死ぬし!
僕らうまれてきたんだ
どうせ死ぬのに!どうせ死ぬのに!
僕は明日に期待する
どうせ死ぬし!どうせ死ぬし!
誰かを愛し愛される
どうせ死ぬのに!どうせ死ぬのに!
再び命を作り出す
どうか元気で!
どうか悩んで!
どうか学んで!
どうか泣いて!
どうか怒って!
どうか悔やんで!
どうか笑え!そして生きろ!
⬆完全版の歌詞は、またの機会に!!
さー!写真!
丸尾兄弟!
初代と2代目 パート1
初代と2代目 パート2
マチソワ間にいちゃつくカップル!
⬇絵に書いたような酔っ払い!
よっちゃんお疲れ様!
⬆何気ないけど、劇団っていいな。
と思った瞬間!
そして、健太に先を越されたこの1枚!
場当たり終わって、ふと気付いた照明!
大好きなジャージーボーイズやん!と!
余りにも、一緒にやりたくて、みんなにやってもらったんだー!
最後に、後ろから見ていて、プレステージで初めて、拍手が鳴りやまず、衣装を脱ぎ始めて、みんな楽屋でテンパって、そのまま流れるようにダブルの挨拶をした時のことを思い出しました。
いま、たくさんの人が僕達のことを応援してくれて、こんなにも支えて貰えてる現状に改めて、感謝しなきゃな。と思わされました。
全ては、千本桜ホールから、始まりました。
10年の節目に原点で、劇をやれたことは、財産になりました。
と、同時に、ここには、もう帰ってきてはいけないのかな。
とも思いました!
もっと、先の場所で、僕達は勝負して行かなきゃならないとおもいました。
観に来れなかった皆様、本当にすみませんでした。
次回は、場所を変えて、解散を賭けた大勝負、人生の大博打です!
これからも劇団員全員で、精一杯戦って行きますので、応援よろしくお願い致します。
8月、絶対に会いましょう!