芭蕉db
   悼松倉嵐蘭

秋風に折れて悲しき桑の杖

(笈日記)

(あきかぜに おれてかなしき くわのつえ)

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 元禄6年8月27、最古参の門人嵐蘭が急逝。追悼句。他に「見しやその七日は墓の三日の月」がある。

秋風に折れて悲しき桑の杖

 桑の木は、うつぎなどと同じように木の中心に空洞があってもろいものである。頼みの杖ともしていた嵐蘭はその桑の木のように秋風に吹かれてぽきんと折れてしまったのである。ぽっかり空いた心の空洞をどうにもしようが無いのである。