第二審・第4回公判の概要(報道より)







控訴審が結審 検察側改めて死刑を求め

 10年12月3日(毎日新聞・記事抜粋)


 07年8月、名古屋市千種区の派遣社員、磯谷利恵さん(当時31歳)が闇サイトを通じて集まった男3人に殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われ、1審で死刑判決を受けた堀慶末被告(35)と無期懲役判決の川岸健治被告(43)の控訴審公判が3日、名古屋高裁(下山保男裁判長)であった。検察側は残虐性などを指摘し、改めて両被告の死刑を主張。弁護側は計画性を否定し、堀被告を無期懲役、1審で自首が認められた川岸被告を有期懲役刑に減軽するよう求めて結審した。判決は来年3月25日。

 検察側は、弁護側が行った両被告の犯罪心理鑑定について「良心の呵責(かしゃく)から自首したという川岸被告の言葉をうのみにしたに過ぎない」と信用性を否定。「遺族の処罰感情も峻烈(しゅんれつ)で、最大限考慮されるべきだ」とした。

 一方、川岸被告の弁護人は、殺害された被害者の数など死刑適用の基準を示したとされる「永山基準」に言及し「自首を除いたとしても永山基準に従えば死刑選択は許されない」と主張した。

 堀被告の弁護人は「改悛(かいしゅん)の情が顕著で、無期懲役で罪を償う機会を与えてほしい」と訴えた。弁護人は堀被告に最後の発言の機会を与えるよう裁判長に求めたが、認められなかった。

  傍聴した磯谷さんの母富美子さん(59)は「遺族にとって死刑は大きな意味がある。私たちの願い通りの判決を下してほしい」と語った。




1人殺害、控訴審でも死刑求刑 名古屋・闇サイト殺人事件が結審

 10年12月3日(産経新聞・記事抜粋)


 名古屋市で平成19年8月、「闇サイト」で知り合った男3人に会社員、磯谷利恵さん=当時(31)=が拉致・殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われ1審で死刑判決を受けた堀慶末被告(35)と無期懲役判決の川岸健治被告(43)の控訴審公判が3日、名古屋高裁(下山保男裁判長)であり、検察側は改めて死刑を、弁護側は死刑回避を求めた。公判は結審し、判決は来年3月25日に言い渡される。

  犯行は神田司死刑囚(39)と共謀したとされ、1審に続き殺害された被害者が1人の場合に死刑が選択されるかが焦点。検察側は「いまなお厳しい遺族の処罰感情は最大限考慮すべきだ」と主張。堀被告の弁護人は「真摯(しんし)に反省している。生涯苦しみながら罪を償わせてほしい」と無期懲役を求めた。




闇サイト殺人 控訴審が結審

 10年12月3日(読売新聞・記事抜粋)


 名古屋市千種区の契約社員磯谷(いそがい)利恵さん(当時31歳)が拉致、殺害された闇サイト事件で、強盗殺人罪などに問われ、1審・名古屋地裁で死刑を言い渡された無職堀慶末(よしとも)(35)、無期懲役判決を受けた同川岸健治(43)両被告の控訴審第4回公判が3日、名古屋高裁で開かれた。検察側は弁論で「両被告の責任は重大で、死刑をもって臨むほかない」と主張。堀被告の弁護側は無期懲役、川岸被告の弁護側は有期懲役が妥当だと反論し、結審した。判決は3月25日。

 検察側は、10月の第3回公判で証人出廷した利恵さんの母、富美子さん(59)が、両被告の死刑を強く望んでいる心境を語ったことに触れ、「遺族らの厳しい処罰感情を最大限考慮すべきだ」と指摘。両弁護側が1審判決後に実施し、「堀被告の人格は穏やか」などと判断した犯罪心理鑑定については「極めて証拠価値が乏しい」と批判した。川岸被告の自首に対しても「反省は認められず、過大評価はできない」と述べた。

 一方、川岸被告の弁護側は「被害者が1人の他の強盗殺人事件と比べると、極刑がやむを得ないとは言えない。自首もしており、有期懲役を選択すべき」と主張。堀被告の弁護側は「改悛(かいしゅん)の情は顕著で、生涯をかけて償いをする機会を与えてほしい」と述べ、堀被告自身にも陳述させてほしいと訴えたが、下山保男裁判長は認めなかった。弁護人によると、「最後に遺族への謝罪の気持ちを述べたい」と話していたという。

  富美子さんは傍聴後、「娘を『殺され損』にはしたくない。被告には金目的で殺した責任をとって下さいと言いたい」と話した。