総務省が8月29日発表した7月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出について、世帯人数を調整した上で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月に比べ5・7%減少した。4カ月連続のマイナスである。
4カ月連続のマイナスは、東日本大震災で消費が低迷した2011年3月〜11月の9カ月連続減以来の長さだ。直近4カ月間の平均をとると、7月の数字は5・2%減と、統計が容易に入手できる1982年4月以降の32年間で最悪だ。
これを消費税が導入された89年、税率が5%になった97年と比べてみよう。7月の数字をみると、89年が0・0%、97年が3・0%増と過去の消費増税時には消費はほとんど戻っていたが、今回は5・7%減。4〜7月の平均は89年が0・6%減、97年では1・2%減であり、今回の5・2%減はそれらと比べてもダントツに悪い。
こうした事態に対して、「天候不順による影響」「実質賃金の低下」「駆け込み需要の反動減の長期化」などと説明するエコノミストや政治家もいるが、こうした見方は妥当なのだろうか。
まず、天候不順くらいで、こんなに悪い数字にならない。過去32年間において、7月の5・7%減は7番目に悪い数字だし、4〜7月の4カ月平均では最悪だ。
天候不順は昨年もあった。果たして天候不順でどの程度を説明できるのだろうか。天候不順で説明できる程度はどれだけかを政府に問い詰めれば、原因の一つであるが、主要なものではないというはずだ。