新型「レクサスGS」、新たなる地平へ

パワーとサウンドで誘う〜エンジンの魅力

そんなリラックスしたクルージングのあいだにも、ときとして変化は起こる。車線規制や遅い大型車をさけて、追い越し車線に移動する、といった状況だ。ためらうことなく右足に力をこめ、勢いよく加速——。今度は、エンジン性能に驚かされた。シャープな回転フィールと頼もしい力のツキの良さもさることながら、サウンドが素晴らしい。エココンシャスな今の時代には申し訳ないけれど、理由もなく踏みこんでみたくなるエンジンだ。もちろん、新世代の燃料噴射方式を採用するなど、環境性能にも配慮されている。おそらく今、世界で最も優れた、そして気持ちのいいV6エンジンだと言っていい。

軽快なエンジンサウンドが耳に届く。サウンドジェネレーターの効果は大。

そう知ってしまうと、エンジンを楽しみたくなるのが人情というもの。指定された到着時間もせまってきたことだし、少しペースをあげてみる。18ウェイのパワーシートがカラダを優しく、しっかりとサポートしてくれる。エンジン音が、心地良く耳に届く。まるで映画の主人公がクルマをドライブするシーンを演じているかのようで、気分がいい。

新開発のサスペンションは、さらに高い直進安定性を示す。

その夜、GSの動的評価を担当する車両実験統括部の伊藤俊則さんと話をするチャンスがあった。いわく、「とにかく運転する楽しさをどうやって表現するか。それに尽きました。滑らかに静かに思い通りに走る楽しさ、そしてエンジンの存在を音で知る楽しさなど、いろいろありますからね。キレ味鋭い走りの楽しさは、明日、“F SPORT”でぜひ。『LFA』で始まったレクサスの走りの味、GSがその中核を担う。そんな強い思いで造りました」。それは、往路で味わったグランドツーリング性能の高さと、レクサス専用プラットフォームの開発といったいくつかのファクトでも確認できた。あとは、キレ味だ。

霧島から桜島を望む。新型「GS」で記憶に残るツーリングへ。

CONTENTS

  • トップページ
  • 試乗インプレッション
    • 01.グランドツーリング
    • 02.ワインディングロード
  • 開発者インタビュー
    • 01.チーフエンジニア
    • 02.動的評価
    • 03.レクサスマイスター
  • フォトギャラリー
  • これまでの新型「レクサスGS」
  • 新型「レクサスGS」オフィシャルサイト